韓国 新型コロナ 新規感染者が過去最多に 行楽期対策徹底を

新型コロナウイルスの感染が再び拡大している韓国では、20日確認された新規感染者が1800人近くに上り、これまでで最も多くなりました。韓国政府は、夏の行楽客が増える7月終わりから8月初めにかけて感染者がさらに増えるおそれがあるとして、対策の徹底を呼びかけています。

韓国では、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株が広がっていて、20日新たに確認された新型コロナの感染者数は1784人とこれまでで最も多くなりました。

感染者数はソウルなどの首都圏以外でも増えていて、北東部のカンヌン(江陵)や南部のチェジュ(済州)島など観光地を中心に規制措置のレベルが相次いで引き上げられているほか、地方でも私的な会合が4人以下に制限されるなど、規制が強化されています。

また、韓国では来年3月に大統領選挙を控えていますが、与党の「共に民主党」は来月から本格的に始める予定だった党内選挙の日程をおよそ1か月遅らせ、公認候補の選出を10月にすることを決めるなど、影響が広がっています。

キム・ブギョム(金富謙)首相は、21日朝の対策会議で「感染の拡大が深刻な状況だ。休暇が集中する今月終わりから来月初めが正念場になる見通しだ」と述べ、国民に感染対策の徹底を改めて呼びかけました。

海軍駆逐艦乗組員 新たに23人感染確認 全体の約90%に

韓国政府によりますと、新型コロナウイルスの集団感染が起きた海軍の駆逐艦の乗組員に対し、20日の帰国後に改めてPCR検査を行ったところ、新たに23人の感染が確認されました。

この結果、感染者は270人に上り、301人の乗組員のおよそ90%が感染したことになります。

感染者のうち14人は入院していますが重症者はおらず、残りの乗組員は隔離施設で経過を観察しているということです。