中国河南省 記録的大雨で洪水 約20万人避難 日系企業生産停止

中国内陸部の河南省で、記録的な大雨による洪水が相次ぎ、これまでに少なくとも16人が死亡しました。およそ20万人が避難しているということで、中国政府は、軍の部隊などによる救助活動を続けています。

国営の中国中央テレビなどによりますと、内陸部河南省の中心都市、鄭州やその周辺で今月17日から記録的な大雨が続き、20日、各地で洪水が発生しました。

この洪水で、鄭州の地下鉄では、トンネル内の車両が浸水し、12人の死亡が確認されました。

また、各地で土砂災害も相次ぎ、少なくとも4人が死亡したということです。

これまでにおよそ20万人が避難しているということで、習近平国家主席は、市民の命や財産を守ることを最優先に救助活動などにあたるよう指示を出し、中国政府は、軍の部隊などによる救助活動を続けています。

現地では、21日午後、いったん雨は弱まりましたが、気象台は、今夜、雨が再び強くなると予想していて、警戒を呼びかけています。

JETRO=日本貿易振興機構によりますと、鄭州には自動車関連などの日系企業およそ10社が進出しているということです。

このうち、日産自動車の合弁会社の工場が21日は生産を停止するなど、影響が出ましたが、これまでのところ生産設備などへの大きな被害は出ていないということです。

また、北京にある日本大使館によりますと、これまでに日本人が被害に巻き込まれたという情報は入っていないということです。

地下鉄車内も水につかり救助待つ

河南省では、広い範囲で道路が浸水し、多くの車が水につかり動けなくなっている状況が確認できます。

また、鄭州の地下鉄で撮影された映像では、車両の中にいる乗客が、腰のあたりまで水につかり救助を待っている様子や、車両の外を激しく水が流れている様子も確認できます。

鄭州 自動車関連などの日系企業が進出

鄭州は中国内陸部 河南省の中心都市で、人口はおよそ1200万人。

古くから栄えた都市で、現在は中国の東西南北を結ぶ交通や物流の要衝として重要な役割を担っています。

一方、市内の北部を黄河が流れていて、たびたび水害が繰り返されてきました。

工業都市としても発展した鄭州には、日産自動車の中国における合弁会社の工場があるほか、自動車関連などの日系企業が進出しています。

また、アップルのスマートフォン、iPhoneの生産を請け負う台湾の「ホンハイ精密工業」のグループ会社「フォックスコン」が生産拠点を置いています。

日本大使館「日本人被害の情報入っていない」

北京にある日本大使館によりますと、鄭州には、およそ70人の日本人が住んでいるとみられ、これまでに日本人が被害に巻き込まれたという情報は入っていないということです。

死亡が確認された12人は地下鉄に

国営の中国中央テレビによりますと、死亡が確認された12人はいずれも地下鉄に乗っていました。

鄭州市内の地下鉄では20日午後、トンネル内の車両に水が入り込み、乗客など500人余りが避難する事態となりました。

消防や警察などが救助活動に当たりましたが、これまでに12人の死亡が確認され、5人がけがをしたということです。

救助された男性は「車両を降り、十数人でトンネル横の手すりをつかんでいたが、水かさは肩の高さまで来て、水の勢いもすごく強くて流されてしまった人がいた。残った私たちも力が尽きて諦めそうだったが、救助に来た消防隊員を見て気持ちが落ち着いた」と話していました。

鄭州では1時間の雨量が201ミリ超

中国の中央気象台によりますと、鄭州では現地時間の20日午後5時までの1時間の雨量が201.9ミリに達したとしています。

日系企業にも影響

日産自動車によりますと、現地にある合弁会社の工場は、洪水の影響で、21日は生産を停止したということです。

工場の設備への影響など、詳細は確認中で22日以降の操業については今後、検討するとしています。

また、JETRO=日本貿易振興機構によりますと、鄭州には日系企業およそ10社が進出しているということです。

一部の企業は、21日、洪水の影響で、従業員が出勤できないため休業となったほか、施設の一部が水につかるなどの被害が出たということです。

ただ、これまでのところ、生産設備などへの大きな被害は出ていないということです。