【ここに注目】パラ馬術

パラリンピックの馬術は障害の種類や程度に応じた5つのグレードに選手が分かれ、馬のステップの正確さや美しさなどを競う「馬場馬術」の種目のみで行われます。

日本代表の顔ぶれ

日本代表として出場するのは、4人です。
▽宮路満英(2大会連続)
▽吉越奏詞(初出場)
▽稲葉将(初出場)
▽高嶋活士(初出場)

唯一の採点競技

4人が出場する「個人」は、順番に決められたステップや図形を描く動きを行い、馬との一体感や動きの正確さ、それに躍動感のある動きをしているかなどが採点されます。「個人」ではグレードごとにメダルが与えられ、さらに上位の8人が「個人フリースタイル」に進むことができます。
個人フリースタイルは、指定された動きを組み込んで、音楽に合わせて自由に演技し、技術点に加えて芸術点も採点されます。
パラリンピックでは唯一の採点競技で、いかに選手と馬が息の合った演技ができるか、まさに「人馬一体」が求められます。
このほか、3人の選手の得点を合わせて順位を競う「団体」も行われます。

宮路満英 前回の雪辱へ

今回、馬術で唯一のパラリンピック経験者が、63歳の宮路選手です。
JRA(=日本中央競馬会)の調教助手を20年以上務めていましたが、脳卒中で倒れ、パラ馬術に転向しました。
前回のリオデジャネイロ大会は最下位の11位。
「前回大会では100%の力を発揮できなかったが、東京大会では最高の演技で入賞を目指す」と雪辱を誓っています。

急成長の20代に注目

初出場の吉越選手、稲葉選手、高嶋選手はいずれも20代と、将来性豊かなメンバーとなりました。
このうち28歳の高嶋選手はJRAの元騎手。2013年に落馬事故にあって現役を引退し、パラ馬術に転向しました。馬を速く走らせる競馬との違いに苦労しながらも、国内外の大会で経験を積み、東京大会への出場をかなえました。
「パラリンピックで馬術があると知り、一度経験した馬の魅力から離れられず、今後も馬に乗って生きていこうと思った。競馬の経験を生かし、強気に乗りたい」と活躍を誓っています。
26歳の稲葉選手にも注目です。
先天性の脳性まひのため両足にまひの障害がある稲葉選手が競技を始めたのはわずか4年前の2017年です。図形を描く技の正確さなどが持ち味で、1年後には世界選手権に出場するなど、一気に国内トップレベルの選手に成長しました。
「メダルは目標の1つだが馬との一体感や迫力など見た人に何かを感じてもらえるいい演技をしたい」と意気込んでいます。