オリンピック 南ア サッカー男子代表が練習 試合開催条件は

東京オリンピック、サッカー男子で選手を含む3人が新型コロナウイルスに感染した南アフリカの代表が、日本と対戦する予選リーグの初戦に向け千葉県内で練習を行いました。

東京オリンピックに出場するサッカー男子の南アフリカ代表は、選手2人とスタッフ1人が新型コロナウイルスの検査で陽性になり、18人が濃厚接触者と認定されています。

20日、2日後に迫った予選リーグ初戦の日本代表との試合に向け、千葉県内で練習を行うため選手たちは2台のバスに分かれて会場に入りました。

そして公開された冒頭およそ15分間の練習で、選手たちはストレッチやダッシュ、パスの交換などを行い時折笑顔を浮かべるなど、リラックスした様子で汗を流していました。

出場には「競技開始6時間前」の検査で陰性が条件

代表チームのうち濃厚接触者に認定された18人は、18日のPCR検査で陰性が確認されていますが、濃厚接触者が試合に出場するためには競技開始の6時間前を目安に鼻の奥の検体で行うPCR検査を実施して陰性であることなどが条件になっています。

試合のためには少なくとも「13人」の登録が必要

東京オリンピックでサッカーの試合を開催するためには少なくとも13人の選手を登録する必要があり、大会組織委員会は、22日の日本との試合に南アフリカの選手たちが出場できるかについて国際競技団体などと協議を続けています。

専門家「試合後に選手が感染していないか検査必要」

南アフリカのサッカー男子の代表チームで感染が確認されていることについて、東京都の「専門家ボード」の座長を務める東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「濃厚接触者となった南アフリカの選手への対応について、試合6時間前のPCR検査で陰性確認を行うことは妥当だが、試合を行った後に選手が感染していないか検査を行うなど、フォローアップもしっかりしていくことが必要だ」と話しています。

一方で、サッカー自体の感染リスクについては「激しい接触の多い競技だが、サッカーの試合で感染が広がったことはあまり報告されていない。柔道やレスリング、ラグビーなど、顔と顔を非常に近づけるスポーツに比べると、感染率は低いと考えられる。試合中よりも試合前後、ハーフタイムや試合が終わった後のロッカールームなどでの感染の広がりが懸念されるので、十分注意が必要だ」と話しています。

そのうえで「選手や関係者がいるバブルの中での感染をどう制御するかは非常に重要だ。さらに、外に漏れないよう迅速で柔軟な対応が求められる」と話しています。