東電株主訴訟 元会長“想定超え津波対応 重大問題と扱われず”

福島第一原発の事故をめぐって東京電力の株主が旧経営陣5人に賠償を求めている裁判で、当時、経営トップだった勝俣恒久元会長らへの尋問が行われ、元会長は想定を超える津波への対応は経営上の重大な問題として扱われていなかったとの認識を示しました。

東京電力の株主50人余りは福島第一原発の事故をめぐって安全対策を怠ったとして、旧経営陣5人に対し、会社に賠償するよう求めています。

20日は旧経営陣3人に対する株主側の弁護士の尋問が行われ、当時、国の地震調査研究推進本部の「長期評価」をもとに原発に15メートルを超える津波が押し寄せると計算されていたことについて認識を問いました。

勝俣元会長は、「試算値であり、原発を襲うとは考えなかった」と述べ、経営上の重大な問題として扱われていなかったとの考えを示しました。

また、原子力部門のトップだった武黒一郎元副社長は津波への対策がとられなかったことについて、「試算値の根拠はあいまいで対策という次のステップに進むのは望ましくないと考えた。安全に影響があるかきちんと確認したかった」と述べました。

裁判では今後の予定も示され、10月29日に裁判官による福島第一原発の現地視察が行われたあと、11月30日に原告と被告の双方が最終弁論を行って審理が終わる見通しになりました。