「黒い雨」訴訟 “判決内容精査し上告するか検討急ぐ” 厚労相

広島に原爆が投下された直後に放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたと訴えた原告の住民などを、2審の広島高等裁判所が全員を被爆者と認めた判決を受けて、田村厚生労働大臣は、関係省庁と判決の内容を精査し、上告するかどうか検討を急ぐ考えを示しました。

20日の閣議のあとの記者会見で、田村厚生労働大臣は、判決について「原告全員に被爆者健康手帳を交付するよう命じた判決は非常に重い。一方で、判決の内容が、ほかのいろいろな事象に影響することになるなら、なかなか容認しづらいものがある」と指摘しました。

そのうえで「空気中に浮遊していた放射性微粒子を吸い込んだり、食物や飲料水などから体内に取り込んだりした内部被ばくの可能性があると、判決に書かれている。放射性物質がどの範囲でどのように影響するのか、関係省庁と検討や分析をしている」と述べ、判決の内容を精査し、期限となる今月28日までに上告するかどうか、検討を急ぐ考えを示しました。

原告側 上告断念求めオンライン署名活動開始

広島に原爆が投下された直後に降った放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」をめぐる裁判で、原告全員を被爆者と認めた広島高等裁判所の判決に対して、原告の住民や弁護士は20日記者会見を開き、市や県、それに国に対して、最高裁判所に上告しないよう求める署名活動をオンライン上で18日から始めたことを明らかにし、協力を呼びかけました。

署名はインターネットの署名サイト「チェンジ・ドット・オルグ」で集めていて、上告期限が今月28日になっていることから25日までの署名を市と県、厚生労働省に提出するということです。

原告団の竹森雅泰弁護士は、3日前の今月17日に原告の1人が亡くなったことを明かしたうえで「こちらには時間がなく、一刻も早くこの判決を確定させたい」と述べました。

高野正明原告団長は「全国の皆さんのご支援をいただき、上告断念となるようお願いしたい」と話していました。