米CDC「感染や入院のほとんどはワクチン接種を終えてない人」

アメリカでは、インドで確認された変異ウイルスの感染が拡大し、感染者数の急速な増加が続いています。特にワクチンの接種率が低い州での増加が顕著で、CDC=疾病対策センターは「感染したり入院したりする人のほとんどがワクチンの接種を終えていない人だ」として、接種を呼びかけています。

CDCによりますと、1日に報告される感染者数の7日間の平均は、16日の時点で2万6000人以上と、前の週と比べておよそ70%増えていて、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の拡大が主な要因だと指摘されています。

感染者数の増加の割合は、南部のフロリダ州やルイジアナ州、それに中西部のミズーリ州やカンザス州などで高くなっていて、ワクチンの接種率が全米の平均より低い南部や中西部の州での感染拡大が深刻です。

CDCは「感染したり入院したりする人のほとんどがワクチンの接種を終えていない人だ」として、接種を強く呼びかけています。

感染症の専門家で、カンザス大学医学部のケビン・オールト教授は「ワクチンは変異ウイルスにも十分に高い効果を維持していて、接種の拡大が感染者の増加を防ぐ最も簡単な方法なのは明らかだ」としています。

さらに「ワクチンの接種対象になっていない12歳以下の子どもへの影響が懸念される」として、ワクチンの接種率を高めて、子どもを感染から守る必要があると指摘しています。

バイデン大統領 接種呼びかける

アメリカのバイデン大統領は19日、インドで確認された変異ウイルスの「デルタ株」が急速に拡大していることについて「残念ながらワクチン接種率がとても低い地域で感染者が増えている。先週は4つの州だけで感染者数全体の40%近くを占めていた。入院したり、亡くなったりする人のほとんどはワクチンを接種していない人だ。こうした悲劇は避けられる」と述べました。

アメリカでは南部や中西部など、特に共和党の支持層が多い地域でワクチンの接種率が低い傾向となっています。

バイデン大統領は「ワクチンは有効だ。安全だ。無料だ。とても手軽だ」と述べ、すぐに接種するよう呼びかけました。