米 バイデン大統領就任半年 コロナ対策評価 “分断”は深刻

アメリカのバイデン大統領が就任してから20日で半年になります。
最優先課題と位置づける新型コロナウイルス対策で一定の成果をあげていることへの評価がある一方で、国民の分断は依然として深刻で、今後の政権運営に影響を及ぼす可能性もあります。

バイデン大統領は、選挙結果を受け入れないトランプ前大統領の支持者らが連邦議会へ乱入するなど、アメリカ社会が大きく揺れる中、ことし1月、大統領に就任しました。

新型コロナウイルス対策を最優先課題と位置づけてワクチン接種を加速させ、今月18日までに18歳以上のおよそ68%が少なくとも1回、接種を済ませています。

また経済の立て直しに向け、家庭への現金給付など200兆円規模の財政支出を決めたこともあり、景気は急速に回復していて、IMF=国際通貨基金の最新の予測では、アメリカのことしの経済成長率はプラス7%と、マイナス成長だった去年からV字回復すると見込まれています。

こうしたことを背景に、アメリカのABCテレビとワシントン・ポストが行った最新の世論調査によりますと、バイデン大統領の新型コロナウイルス対策について「評価する」と答えた人は60%を超えています。

一方で、これを支持政党別にみると、
▽民主党の支持者の95%が「評価する」と答えたのに対し、
▽共和党の支持者では33%にとどまっていて、
支持政党により評価が大きく分かれていることがうかがえます。

さらに、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の感染が急速に拡大する中、ワクチンの接種率が伸び悩んでいて、特に共和党の支持層が多い地域で接種率が低い傾向になっていることから、政治的な分断がワクチンの接種にも影響を及ぼしているという指摘もあります。

バイデン大統領は、就任前から国民に結束と融和を呼びかけてきましたが、分断の解消は進んでおらず、議会で重要法案をめぐり、野党側の協力を得られず審議が滞るなど、今後、深刻な分断が政権運営に影響を及ぼす可能性もあります。

世論調査では依然として分断が続く

アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、各種世論調査の今月16日時点のバイデン大統領の支持率の平均値はおよそ52%で就任後、一貫して50%台を保っています。

同じ就任後半年の時期で比べると、トランプ前大統領はおよそ40%、オバマ元大統領はおよそ56%でした。

また、アメリカのABCテレビとワシントン・ポストが共同で行った最新の世論調査ではバイデン大統領の新型コロナウイルス対策について「評価する」と答えた人は、62%に上っています。

一方で支持政党別に同じ質問をすると、
▽民主党では「評価する」と答えた人が95%だったのに対し、
▽共和党では33%にとどまりました。

また、新型コロナウイルスのワクチンについては
▽民主党では86%が「1回以上接種した」と答えたのに対し、
▽共和党では45%となっています。

さらに共和党支持者のうち38%が「今後も絶対に接種しない」と答えています。

このほか、アメリカ国内で急速に広がっている、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株について、共和党支持者の57%が「当局は危険性を大げさに説明している」と答えています。

同じように答えた民主党支持者は12%で、新型コロナウイルスをめぐっても支持する政党によって、考え方に大きな隔たりがあることが浮き彫りとなり、バイデン大統領にとって引き続きこうした分断を埋められるかが課題となっています。

トランプ前大統領 今も共和党支持者で根強い人気

トランプ前大統領は、退任から半年になる今も共和党支持者の間で根強い人気を集めています。

調査会社イプソスとロイター通信が、ことし5月に発表した世論調査では、共和党支持者の53%がトランプ氏が「今の本当の大統領」だと回答し、56%が去年の大統領選挙で「違法な投票や不正が行われた」と答えるなど、共和党支持者の間では、今もトランプ氏の主張を支持する人が少なくないことがうかがえます。

また、トランプ氏は共和党内で今も一定の影響力があり、ことし5月には、トランプ氏に批判的な立場を取る議員が下院の党ナンバー3の役職を解任され、後任にトランプ氏を支持する議員が選出される動きがありました。

トランプ氏は先月、大規模な集会を再開し、政治活動を活発化させていて、来年の中間選挙に向け、自身に近い候補者20人余りへの支持を表明するなど、3年後の大統領選挙を視野に、党内での影響力拡大に向けた動きを加速させています。

トランプ氏の活動再開が、再び政治的なうねりにつながるかは不透明ですが、トランプ氏が活動を再開させることで与野党の対立が激しさを増し、バイデン大統領が掲げる国民の結束が、より難しくなることも予想されます。