イングランド 規制撤廃も「厳しい感染対策 また始まるかも」

イギリスのイングランドでは、新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、感染対策として続いてきたほぼすべての規制が19日、撤廃されました。

イギリスでは、新型コロナウイルスの感染が急拡大していて、1日の感染者が5万人を超える日も出ています。

一方で、ワクチンの効果で重症化は一定程度抑えられているとして、首都ロンドンがあるイングランドでは19日、公共交通機関やスーパーなどでのマスク着用の義務や、人との距離の確保といった規制がほぼすべて撤廃されました。

ただロンドンでは、市が運営する交通機関で、マスクの着用義務を継続する独自の対策がとられるなど、警戒する動きも出ています。

市民からは「多くの人が1年以上にわたる規制によって精神的に苦しんできた。撤廃はすばらしいことだ」と歓迎する意見の一方で「交通機関など混雑した場所では、マスク着用の義務づけを続けるべきだ」とか「自分の周りでも感染者が増えている。厳しい感染対策が、また始まるかもしれない」といった懸念や不安も聞かれました。

濃厚接触者として隔離中のジョンソン首相は、オンラインで記者会見し「入院患者も死者も残念ながら増加しているが、想定している範囲内にとどまっている」としたうえで、警戒を怠らないよう呼びかけました。

また、18歳以上がワクチンの接種を終えるとみられる9月末までには、ナイトクラブなど大勢の人々が集まる場所への入場に、接種の証明を求める考えを明らかにしました。