4年半ぶり新横綱誕生へ 照ノ富士の推薦決定 横綱審議委員会

大相撲の横綱審議委員会が開かれ、名古屋場所で14勝1敗の好成績を挙げた大関 照ノ富士を全員一致で横綱に推薦することを決め、4年半ぶりに新しい横綱が誕生することになりました。

日本相撲協会の八角理事長は、夏場所での優勝に続いて名古屋場所で14勝1敗の好成績を挙げた大関 照ノ富士の横綱昇進について、19日東京都内で開かれた横綱審議委員会に諮問しました。

これを受けて委員会では、照ノ富士の横綱としての品格や力量を審議した結果、全員一致で照ノ富士を横綱に推薦することを決めました。

相撲協会では、21日、秋場所の番付編成会議と臨時理事会を開いて横綱昇進を正式に決め、使者を派遣して照ノ富士に伝達します。

横綱審議委員会の矢野弘典委員長は「最近の横綱不在の場所をけん引し、今場所も14勝1敗で優勝に準じたことを高く評価した。けがで序二段まで落ちたが、奇跡と言われる復活を遂げたのは、長い相撲の歴史でも特筆に値する。根性や辛抱、我慢、不屈の精神、節制ということばを思い起こさせるものがある」と称賛しました。

そのうえで「特に序二段まで落ちてからは容易ではない。会社で言えば、重役が新入社員になったようなものだ。それを乗り越えて復活したのは、相撲の大好きな人たちが共感したのではないか。さらに精進を重ねて、品格・力量ともにほかの力士の目標になってほしい」と期待を込めていました。

横綱の昇進は平成29年初場所後の稀勢の里以来、4年半ぶりです。

照ノ富士「気持ちを入れ替え頑張る」

横綱審議委員会から横綱に推薦された照ノ富士はオンラインで会見し「もう一回、気持ちを入れ替えてこれからも頑張っていきたい」と気を引き締めていました。

会見の中で、綱とりの15日間については「自分が今できることをすべてやった。重圧とかプレッシャーはなかった。本当にその日の一番に集中し、落ち着いてできることを精いっぱいやろうと思っていただけだ」と振り返りました。

横綱審議委員会から、序二段からの復活を高く評価されたことについては「これまで頑張ってきたが、少しでも皆さんにそういう思いになってもらえたとしたならば、ありがたい」と心境を語りました。

注目される伝達式での口上の内容については、これから考えるとしたうえで「横綱というのはどういう地位なのか、どういう生き方をするべきなのかということを親方とおかみさんと相談して、うまく形にできればいいかなと思う」と話していました。

横審 矢野委員長 白鵬を厳しく批判「見苦しく美しくない」

横綱審議委員会の矢野弘典委員長は19日の会合で、名古屋場所で全勝優勝した横綱 白鵬を評価した一方、場所中に見せた張り手やかち上げなどについて厳しく批判しました。

名古屋場所は、進退をかける意向を示して臨んだ横綱 白鵬が大関 照ノ富士との全勝対決を制し、7場所ぶり45回目の優勝を果たしました。
19日開かれた横綱審議委員会の会合のあと、矢野委員長は白鵬について「ケガを乗り越え全勝優勝という結果を残してくれた。3月に『注意』の決議を受けたあと、名古屋場所に進退をかけると明言して出場し、結果につなげたことはそれなりに評価したい」などとして注意の決議を解除したことを明らかにしました。

一方で、大関 正代との一番での土俵際まで離れた仕切りや、千秋楽の照ノ富士との対戦で見せたかち上げや張り手については「目を疑うような仕切りや張り手、ひじ打ちと疑われかねないかち上げ、ありえないガッツポーズ、実に見苦しく、どうみても美しくない」と厳しく批判しました。

そのうえで「横綱は特別な地位で、ルールに反しなければ何をしてもいいということではない。長い歴史と伝統を持つ大相撲が廃れていくと懸念した」と述べ、今後、白鵬の相撲内容などを注視して必要な場合は何らかの措置を取るという見解を示しました。