東京 新型コロナ 1人死亡 727人感染確認 7日間平均1100人超に

東京都内では19日、新たに727人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。19日までの7日間平均は1100人を超え感染の急拡大が続いていて、都の担当者は「今週は20日以降も先週と同様かそれ以上に増える可能性が高い」と危機感を示しています。

東京都は19日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて727人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1週間前の月曜日より225人増えていて、前の週の同じ曜日を上回るのは30日連続です。

都内では18日までの5日連続で1000人を超えていました。19日までの7日間平均は1100人を超えて1100.4人となりました。前の週の145.4%で、感染の急拡大が続いています。

7日間平均が1100人を超えるのはことし1月25日以来です。

都の担当者は「増加の幅が大きくなっている。今週はあす以降も先週と同様かそれ以上に増える可能性が高い。木曜日からの4連休や夏休みはレジャーを控えオリンピックも自宅で観戦してほしい」と呼びかけています。

727人の年代別は、
▽10歳未満が45人、
▽10代が48人、
▽20代が204人、
▽30代が173人、
▽40代が127人、
▽50代が82人、
▽60代が29人、
▽70代が11人、
▽80代が7人、
▽90代が1人です。

感染経路が分かっている289人の内訳は、
▽「家庭内」が最も多く175人、
▽「職場内」が46人、
▽「会食」が16人、
▽「施設内」が15人などとなっています。

これで都内で感染が確認されたのは18万9843人になりました。

19日時点で入院している人は18日より42人増えて2346人で「現在確保している病床に占める割合」は39.9%です。

一方、都の基準で集計した19日時点の重症の患者は18日より2人増えて60人で、重症患者用の病床の15.3%を使用しています。

また都は、感染が確認された70代の女性1人が死亡したことを明らかにしました。

これで都内で感染して死亡した人は2270人になりました。

インドで確認「L452R」変異ウイルス 新たに143人感染確認

東京都は19日、都内で新たに143人がインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

検査の実施件数に占める陽性の割合は34.5%で、1日の発表としてはこれまでで最も高くなりました。

143人のうち、感染経路が分かっているのは49人で、家庭内が35人、職場内が8人などとなっています。

これでこの変異ウイルスへの感染が確認されたのは都内で1953人になりました。

専門家「感染増える要因しかなく 深刻な状況」

東京都で4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間がたちましたが、こうした中でも感染が拡大し続けている現状について、国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「これから夏休み、オリンピックと感染が増える要因しかなく、かなり深刻な状態だともう一度認識してほしい」と訴えました。

まず松本教授は、都内でこのところ1000人を上回る感染者数となる日が続き、18日までの7日間平均も1000人を超えていることについて「緊急事態宣言下でありながら感染者数が加速度的に増えている。多くの人たちが緊急事態に慣れてしまい、感染対策を呼びかけても行動に抑制がかかっていない」と指摘しました。

そのうえで「これから夏休み、それにオリンピックと考えると感染者数が増える要因しかなく、減る要因がない。今回がいちばん大きな波になり、1日3000人近くまで増える可能性も覚悟して、かなり深刻な状態だともう一度認識してほしい」と危機感を示しました。

また、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の影響で職場や学校などでのクラスターも増えていると指摘します。

松本教授は「今回の感染拡大では職場やこれまで少なかった学校などでのクラスターも増えている。感染力が強いというのはその人が持つウイルスの量が相当多くなっていることだと考えてもよく、最近は3密ではなく2密や1密でも感染しやすくなっている。私たちの外来でも思い当たることがないという方もかなりいるし、若い人の重症例も増えている」と話していました。

そのうえで、開幕を控えた東京オリンピックの期間中も感染防止策の徹底が必要だと訴えます。

松本教授は「無観客でも集団で飲食しながらテレビでオリンピックを見るということになれば結局、感染が起こりやすい状況に変わりはない。なるべく多人数で集まらないこと、大声をあげて近い距離で話をする機会を作らないことが大事だ。多くの人が集まることは避け、家でオリンピックを応援するよう徹底してほしい」と話していました。

「五輪パラ 夏休みなど 全国的感染爆発の条件重なる」

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、東京オリンピックの競技が始まろうとしています。

感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「感染爆発が起こりやすい条件が重なっている」として、対策の基本を改めて徹底するよう呼びかけています。

新型コロナの感染者数が東京などで急増していることについて、賀来特任教授は「人の流れが抑えきれていないことや、感染力の強い変異ウイルスの影響がある。このあとも、オリンピック、パラリンピックや4連休、夏休みなどの要因があり、全国的な感染爆発が起こりやすい条件が重なっている」として強い危機感を示しました。

そのうえで、宮城県利府町ではオリンピックのサッカーの試合が観客を入れて行われることを受けて「スタジアムではしっかりと距離をとって、マスクをつけ、大きな声での応援は避けるとともに、試合後は直行直帰を守ってほしい。また、会場に行かない人は大勢で集まるのではなく、できるだけ身近な人と一緒に応援してほしい」と呼びかけました。

そして「ワクチン接種が行き渡るまで、今、感染爆発を防ぐことが極めて重要だ」として、いつも一緒にいる人と過ごす、人の多いところに出かけない、マスクの着用、手洗いの徹底、換気の徹底という、感染対策の基本を改めて徹底してほしいと呼びかけています。