海外メディア 開幕迫る五輪 日本国内の不安や懸念の声伝える

新型コロナウイルスの感染が収束しない中、今月23日に開幕が迫る東京オリンピックについて、海外のメディアは日本国内の不安や懸念の声を多く伝えています。

このうち、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは「ここ数日、選手や大会関係者の間で感染者が出て、懸念が高まっている」としたうえで「日本でワクチンの接種を終えた人は人口のおよそ20%と、多くの欧米諸国に比べてはるかに少ない」と指摘しています。

ロイター通信も「新型コロナの影響で1年延期された東京オリンピックは、感染拡大を防ぐため、かつてない状況と厳しい検疫ルールのもとで開催される。それにもかかわらず、選手や大会関係者の間で感染者が出ている」と伝えています。

さらに「開催地の東京では、この半年間で最も多い感染者が確認されている。感染拡大を抑えるための規制のほとんどは強制力のないもので、多くの人がうんざりしている」としています。

アメリカのCNNテレビは、記者が東京からの中継で「ここには、オリンピックにつきもののけん騒や興奮は存在しない」と伝えたうえで「東京大会が国民の大多数から非常に不人気となっている主な理由は、今も続く健康と安全への懸念だ。日本の人たちは大会後、世界の注目が去ったあとも、大会によってもたらされる影響に対応しなければならなくなると考えている」と説明しています。

また、イギリスの公共放送BBCは「日本の80%以上の人が大会の再延期または中止を望んでいるという報道もあるが、大会を中止できるのはIOC=国際オリンピック委員会だけだ。開催費用が史上最も高い夏のオリンピックとなる予定で、開催には非常に大きなプレッシャーがかかっている。これまでに開かれたどの大会とも異なるものになることは間違いない」と伝えています。

来日した海外メディアからさまざまな声

オリンピック取材のため来日している海外メディアからは、さまざまな声が聞かれました。

オーストラリアのテレビ局、セブン・ネットワークのリポーターは、東京からの報告として、都内の新型コロナウイルスの感染者数が1日1000人を超えたほか、ロシアオリンピック委員会の7人制ラグビーのチームスタッフが感染し、ほかのメンバーがホテルで隔離されていることなどを紹介していました。

また、フランスの通信社の取材統括責任者は「多くの会場が無観客となる今大会の取材は、これまでとは全く違う新しい経験で興味深い。開幕までの準備がどのように進むのか、そして日本の人たちがオリンピックをどのように受け止めているのかなどを伝えていきたい」と話していました。

一方、オーストラリアのテレビ局、ナイン・ネットワークの記者は「すべての競技がスムーズに行われてほしい。世界にとってとても難しい1年間だったが、オリンピックは人々をまとめることができると思う。開幕がとても楽しみだ」と話していました。