大関 照ノ富士の横綱昇進へ臨時理事会開催を決定 日本相撲協会

日本相撲協会は、大相撲名古屋場所を14勝1敗の好成績で終えた大関 照ノ富士について場所後に横綱昇進に向けた臨時理事会の開催を決めました。

大関 照ノ富士は先場所大関として初めて優勝し、綱とりがかかった名古屋場所でも持ち味の力強い相撲で白星を重ね千秋楽に横綱 白鵬との全勝どうしで優勝を争いました。

惜しくも敗れましたが14勝1敗の好成績で終えました。

こうした成績を受けて横綱昇進の議論を預かる日本相撲協会審判部は、八角理事長に対し場所後に横綱昇進に向けた臨時理事会の開催を要請し、理事長は、場所後に照ノ富士の横綱昇進に向けた臨時理事会の開催を決めたということです。

八角理事長は「横綱になると、大関にはなかったものを求められる。いろんなことを求められる。それを踏まえて頑張ってほしい」と話していました。

鳥取 高校の後輩 白鵬との対戦を見守る

大関 照ノ富士の母校、鳥取市の鳥取城北高校では、相撲部の後輩が横綱 白鵬との対戦を見守りました。

相撲部の部員17人は校内の大ホールで取り組みの様子を見つめ、照ノ富士が敗れると悔しそうに小さく息を吐いていました。

照ノ富士は横綱 白鵬に敗れはしたものの、14勝1敗の好成績をあげ、日本相撲協会は場所後に横綱昇進に向けた臨時理事会の開催を決めました。

相撲部の落合哲也主将は「自分もいつかこの舞台で戦うという気持ちが強くなりました。これからも強い照ノ富士関が見たいです」と話していました。

照ノ富士と同じモンゴル出身のアルタンゲレル・ソソルフーさんは「見ていて緊張しましたが、モンゴル出身の先輩が強い気持ちで戦っていてとてもうれしかったです。自分も強い気持ちで頑張りたいです」と話していました。

照ノ富士「まだ弱いなと思う」

白鵬に敗れた照ノ富士は「自分にできることを精いっぱいやるだけだと思っていた」と淡々と振り返りました。

報道陣の「自分の力を出しきれたか」という質問に対しては「出しきっても負けているのでまだ弱いなと思う」と話し、14勝1敗という好成績にも満足していない様子でした。

そして「場所ごとにちょっとずつよくなっている感覚はある。これからもっとよくしていきたい」と厳しい表情のまま話していました。

照ノ富士とは

照ノ富士はモンゴル出身の29歳。

来日後は強豪の鳥取城北高校に入学し、その後、間垣部屋に入門しました。

平成23年5月の技量審査場所で若三勝のしこ名で初土俵を踏み、間垣部屋の閉鎖に伴って伊勢ヶ濱部屋に移籍したあと、しこ名を今の照ノ富士に改めました。

体重およそ180キロの体格を生かした力強い四つ相撲でぐんぐん番付を上げ、平成26年の春場所に新入幕を果たし、関脇だった平成27年夏場所に12勝3敗で初優勝しました。

初土俵から25場所目での優勝は、年6場所制となった昭和33年以降、幕下付け出しの力士を除いて歴代3位のスピード記録で、場所後に大関に昇進し、横綱候補として期待されました。

しかし、ひざのケガや糖尿病などから稽古の出来ない状態となり、平成29年名古屋場所から4場所連続で休場し、その年の九州場所で2年間務めた大関の地位から陥落しました。

さらに平成30年夏場所からも5場所連続で休場し、おととしの春場所には序二段にまで番付を下げました。

大関経験者が幕下以下に陥落するのは昭和以降では初めてのことで一時は引退も考えました。

それでも師匠の伊勢ヶ濱親方に説得されて思いとどまり、ケガや病気の回復に伴って少しずつ稽古を再開し、再び番付を上げていきました。

前頭17枚目「幕尻」で幕内に復帰した去年7月場所にはおよそ5年ぶりとなる2回目の優勝を果たして復活を強く印象づけました。

そして、関脇だったことし3月の春場所で優勝し、21場所ぶりに大関に復帰した先場所も制して今場所は綱とりに挑戦していました。

過去の横綱昇進事例

照ノ富士は、横綱審議委員会が横綱への昇進にあたって推薦の条件としている「大関で2場所連続優勝」に準じる成績を残しました。

過去には2場所連続優勝でなくても横綱に昇進した例は多くありましたが、昭和62年に第60代横綱 双羽黒が角界を去ったあとは、長く2場所連続優勝した力士だけが横綱に昇進してきました。

双羽黒は昭和33年に横綱審議委員会の内規が出来て以降、初めて優勝を経験しないまま昭和61年の名古屋場所後に横綱になりました。

昇進後も優勝できず、親方との口論から部屋を飛び出し横綱在位わずか8場所で角界を去りました。

このあとは、平成2年に昇進した第63代横綱 旭富士から平成24年に昇進した第70代横綱 日馬富士まで8人続けて、2場所連続優勝の力士だけが横綱に昇進してきました。

このあとは、第72代横綱 鶴竜と第73代横綱 稀勢の里は、ともに優勝1回で横綱に昇進しました。

2人の綱とりの場所の直前の成績は、鶴竜が平成26年春場所で優勝決定戦で敗れたものの14勝1敗。

稀勢の里は、平成28年九州場所で12勝3敗として優勝力士に次ぐ成績を挙げています。

照ノ富士は大関として2場所連続優勝を逃しましたが、ことしに入って関脇だった春場所と大関に復帰した先場所も制し、今場所は14連勝で迎えた千秋楽で敗れ、14勝1敗で優勝した白鵬に次ぐ好成績を挙げていました。

横綱昇進が決まるまでの流れ

照ノ富士の横綱昇進が決まるまでの流れです。

日本相撲協会の八角理事長は、千秋楽の18日、審判部から横綱昇進を諮る臨時の理事会を開くよう要請され開催を決めました。

相撲協会では、照ノ富士が横綱として、実力や品格がふさわしいかを審議する横綱審議委員会に昇進を諮問することになります。

横綱審議委員会は19日、東京都内で開かれます。

横綱審議委員会は、横綱に推薦する条件として、「大関で2場所連続の優勝」を原則とし「これに準ずる成績をあげた力士を推薦する場合は、出席した委員の3分の2以上の決議が必要」と内規で定めています。

照ノ富士は、大関として2場所連続優勝を果たしていないため、横綱審議委員会では、出席した委員の3分の2以上が賛成すれば、昇進を相撲協会に推薦することになります。

横綱推薦が決まれば、相撲協会は場所後の番付編成会議と臨時の理事会で横綱昇進を正式に決定します。