インドネシア 感染急拡大で死者最多 邦人向け特別便運航へ

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないインドネシアで、16日の死者は1200人を超え、これまでで最も多くなりました。現地在住の日本人が日本に退避する動きも出ている中、航空各社は今月21日以降、特別便を運航することを決めました。

インドネシアでは、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株の感染が拡大していて、16日新たに感染が確認された人は5万4000人に上りました。また、死者は今月1日の2倍以上に増えて、これまでで最も多い1205人となり、感染状況が急速に悪化しています。

インドネシア政府は一日の新規感染者が10万人に達する可能性も想定し、病床や酸素の確保などに追われています。

こうした中、現地に進出している日系企業およそ1900社の中には駐在員やその家族を帰国させる動きが相次いでいて、日本に向かう便の予約が難しくなっています。このため日本の航空各社は特別便を運航することを決め、全日空は今月21日、日本航空は今月25日に運航するとして、予約を受け付けています。

運航を支援している現地の日本大使館によりますと、特別便の搭乗に関心を示した人は2000人以上いるということですが、搭乗できるのは日本に受け入れ先となる企業や団体がある人だけで、対象に含まれない個人からは落胆の声も上がっています。

日本大使館は「個人の方や、個別の事情がある方々のための特別便についても、現在、調整をしている」としています。