世界規模でワクチン共有する努力を APEC 首脳声明

APEC=アジア太平洋経済協力会議の非公式の首脳会合は首脳声明を発表し、ワクチンへの公平なアクセスを加速しなければ、危機を克服できないとして、世界規模でワクチンを共有する努力を支持するとしています。

オンライン形式で開かれた首脳会合は成果を取りまとめた首脳声明を発表しました。

声明では、安全で有効かつ品質が保証され、手の届く価格の新型コロナウイルスワクチンへの公平なアクセスを加速しなければ危機を克服できないとして、世界規模でワクチンを共有する努力を支持し、生産技術の自主的な移転を促すとしています。

また、気候変動や深刻な環境問題への対処に貢献する経済政策などの重要性を改めて表明し、質の高いインフラの開発や投資の推進を継続するとしています。

さらに、デジタルインフラや技術を強化しつつ、データの流通を促進しデジタル取引に対する信頼を強化するうえでの協力の重要性を認識するとしています。

そして貿易や投資をめぐり、新型コロナウイルスの広範な影響と戦うことに役立つ、自由で、開かれた、公正で、予見可能な環境の重要性を認識するとしています。

議長国ニュージーランド「地球規模のワクチン接種 貢献を」

議長国ニュージーランドのアーダーン首相は会合後の会見で「われわれはすべての人にできるだけ早くワクチンが行き渡るよう努力を続ける。国家の利益を追求するワクチン・ナショナリズムを乗り越え、地球規模のワクチン接種に貢献しなければならない」と述べ、各国に協力を呼びかけました。

アメリカ「自由で開かれたインド太平洋 実現に力入れると強調」

アメリカ・ホワイトハウスは声明を発表し、バイデン大統領が非公式の首脳会合で「多国間の協力の重要性を強調するとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に力を入れていくと強調した」としています。

そのうえで「前向きで、価値観に基づく、透明性がある展望を示した」と、インド太平洋地域への関与をいっそう深めていく考えを示したとしました。

そして、新型コロナウイルス対策については、アメリカが世界の100以上の国々に安全で効果的なワクチンを5億回分以上提供しているとした上で、いわゆる「ワクチン外交」を展開する中国などを念頭に「ワクチンの提供に政治的や経済的な条件を付けないことが重要だ」と訴えたということです。

中国「われわれは貿易と投資の自由化を推進する」

中国外務省によりますと、習近平国家主席は「アジア太平洋は経済成長のエンジンであり、新型コロナウイルスとの闘いに早期に打ち勝ち経済を回復させることは地域の各メンバーにとって当面の最も重要な任務だ」と述べました。

そのうえで「われわれは貿易と投資の自由化を推進する。壁を作るのではなく取り除き、経済的なつながりを切り離すのではなく融合し、経済のグローバル化をよりオープンでバランスのとれた方向に導かなければならない」と述べ、ハイテク分野などで中国に頼らないサプライチェーンの構築を図ろうとするアメリカのバイデン政権の動きをけん制しました。

さらに習主席はこれまでに5億回分を超える新型コロナウイルスのワクチンを発展途上国に提供したことを明らかにしたうえで、今後3年以内に発展途上国の感染対策と経済回復のために30億ドルの支援を行うことを表明しました。