IOCバッハ会長 被爆地広島を訪問 「平和な未来への希望の光」

日本を訪問中のIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は16日、被爆地・広島市を訪れました。バッハ会長は「東京オリンピックは平和な未来への希望の光となるだろう」などとスピーチし、平和に向けた取り組みを進めるには東京大会の成功が必要だと訴えました。

東京オリンピックの開幕を前に日本を訪問中のIOCのバッハ会長は、16日午後、被爆地・広島市の平和公園を訪れました。

バッハ会長は湯崎知事や広島市の小池副市長の出迎えを受けたあと、雨が降る中、原爆慰霊碑に献花し黙とうしました。

続いてバッハ会長は原爆資料館を訪れ被爆した子どもの洋服などを見たあと、湯崎知事や6歳の時に被爆した梶矢文昭さんらと対談しました。

この中で梶矢さんが「原爆の火は3度あってはいけないが、聖火の火は長く続けてほしい。オリンピックの成功を祈る」と伝えたのに対し、バッハ会長は「すべての人類はここに来るべきだ。自分も被爆者とともに平和の大使として祈り続けたい」と述べたということです。

このあとバッハ会長はスピーチに臨み「きょう私はこの場所で追悼されているすべての人々を思い出すためにここにいる。平和の使命を再確認し、平和の街としての広島に敬意を払うためにここにいる」と述べました。

そして「社会の中での多くの連帯がなければ平和はない。東京オリンピックはよりよい、より平和な未来への希望の光となるだろう」と述べ平和に向けた取り組みを進めるには東京大会の成功が必要だと訴えました。

市民団体が抗議活動 開催中止を訴え

一方、広島市では東京オリンピック・パラリンピックの開催に反対する市民団体が抗議活動を行い開催の中止を訴えました。
 
抗議活動には主催者側の発表で50人が参加し「東京オリンピックの中止を求めます」などと日本語や英語で書かれた横断幕などを掲げて、広島市中区の平和公園の北側を行進しました。

そして、バッハ会長が平和公園に到着した午後1時20分ごろには「バッハは広島を利用するな」などと訴えていました。

一方、反核や平和を訴える別の市民団体も同じ場所で抗議活動を行い、およそ10人が献花するバッハ会長に向けて「オリンピックを中止しろ」や「バッハは帰れ」などと声をあげていました。

デモに参加した広島県被団協=広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は「世界や広島の人が心から喜んでオリンピックを開ける状況ではない中、広島に来て『平和を訴えたい』と言われてもわれわれには響かないし、コロナが収まってから来るべきで納得いかない」と話していました。