外国人技能実習生の失踪 実地検査は約20% 状況把握進まず

日本で働きながら技能を学ぶ外国人技能実習生の失踪があとを絶たないなか、国の認可法人が失踪が起きた受け入れ先の実地検査をせず、実習生が失踪に至った労働環境などの把握が進んでいないケースがあることが、会計検査院の調査で分かりました。

これは、会計検査院がおととし9月までの半年間に全国で起きた外国人技能実習生の失踪3639件を調べた結果、分かったものです。

技能実習生の失踪が発覚した場合、国の認可法人の「外国人技能実習機構」が受け入れ企業などの実地検査を行うことになっていますが、会計検査院によりますと、およそ20%に当たる755件で、失踪から半年がたっても検査が行われていなかったということです。

また、このうちおよそ73%に当たる557件については、受け入れ先から賃金台帳などの資料の入手もしていなかったということです。

技能実習生の失踪があとを絶たない背景の1つには、賃金や労働時間をめぐるトラブルがあるとされていますが、今回の調査から、労働環境や生活実態など、失踪に至った状況の把握が進んでいないケースがあることが浮き彫りになりました。

会計検査院は、外国人技能実習機構に対し、失踪が発覚したら賃金台帳などの資料を速やかに入手するよう求めました。

外国人技能実習機構は「人員などが限られ、対応が追いつかないケースが出ている。指摘を真摯(しんし)に受け止め、適正な検査業務に努めたい」と話しています。

専門家「制度の抜本的な改正行う必要」

外国人技能実習生の労働問題に詳しい神戸大学大学院国際協力研究科の斉藤善久准教授は「外国人技能実習機構のマンパワーが限られていることが、失踪者が相次いだり、その調査が遅れたりする原因の1つになっている。もっと国が主体になって運用するか、実習生の転職を広く認めるなど、制度の抜本的な改正を行う必要がある」と指摘しています。