【ここに注目】パラバドミントン

パラバドミントンは東京パラリンピックではじめて正式競技に採用された新しいパラスポーツです。

これまでは世界バドミントン連盟が1998年から開催している世界選手権とアジアパラ大会が最高峰の大会でしたが、パラリンピックに加わったことで、選手たちのモチベーションが大きく向上しこの大会でのデビューに備えてきました。
日本代表は直近の世界選手権の2019年大会に26人の選手が出場し、金メダルと銀メダルをそれぞれ1つずつ含む11個のメダルを獲得しました。オリンピックのバドミントンと同じようにメダルラッシュを狙える競技で、歴史的な大会を自国で開催するにあたって華々しいデビューをしたいと意気込んでいます。

日本代表の顔ぶれ

メダルラッシュを狙う日本代表は、11種目に10人の選手が出場します。
【男子シングルス】
▽村山浩(車いすの比較的障害が重いクラス/世界8位)
▽梶原大暉(車いすの比較的障害が軽いクラス/世界4位)
▽藤原大輔(足に障害のあるクラス/世界4位)
【女子シングルス】
▽里見紗李奈(車いすの比較的障害が重いクラス/世界1位)
▽山崎悠麻(車いすの比較的障害が軽いクラス/世界4位)
▽小倉理恵(車いすの比較的障害が軽いクラス/世界6位)
▽藤野遼(足に障害のあるクラス/世界4位)
▽鈴木亜弥子(腕に障害のあるクラス/世界2位)
▽杉野明子(腕に障害のあるクラス/世界ランキングなし)
【男子ダブルス】
車いすのクラス:村山選手と梶原選手のペア(世界3位)
【女子ダブルス】
▽車いすのクラス:里見選手と山崎選手のペア(世界1位)
▽腕や足に障害のあるクラス:伊藤則子選手と鈴木選手のペア(世界3位)
【混合ダブルス】
▽腕や足に障害のあるクラス:藤原選手と杉野選手のペア(世界12位)

エースは2冠を狙う

日本代表で最も注目を集めてきたのが里見紗李奈選手です。まだ23歳の若手ですが車いすのクラスではシングルスとダブルスでともに世界ランキング1位です。2種目で金メダル獲得が期待されている、日本のエースです。
里見選手の強みは、バドミントンの選手時代に培ったシャトルコントロールとそのショットの強さです。競技をはじめて2年余りで臨んだ2019年の世界選手権は、初出場ながらシングルスで金メダルを獲得し一躍世界の注目を集めました。コロナ禍では苦手としていたチェアワークの向上に取り組み、精度の高いショットに車いすさばきが加わりさらにレベルアップしました。
ダブルスでペアを組む山崎選手とは、ポジションを自在に入れ替えるローテーションの向上に取り組んでいて連携プレーの向上に磨きをかけてきました。
開催国のエースとして、東京大会ではどのような活躍を見せてくれるのか注目です。

トップ争い続けたベテラン

腕に障害のあるクラスで長年世界のトップ争いを続けてきた、シングルスで世界ランキング2位の鈴木亜弥子選手も金メダル候補です。鈴木選手はこの種目で世界選手権を2009年、2017年と2回優勝した実力の持ち主で、世界のトップを中国のライバル選手と長年争ってきました。
34歳のベテランで世界選手権を制したのち、一度は現役を引退しました。
その後、パラリンピックへの採用が決まったため出場を目指して再びコートに戻りました。粘り強いプレースタイルが持ち味で、懸命にシャトルを追う姿や、ラリーの中で緩急をつけたりコースを突いたりする巧みなプレーは世界クラスです。
2019年の世界選手権決勝では惜しくも中国の選手に敗れましたが、東京大会では雪辱を誓ってフットワークをいちから見直してきました。
初優勝がかかる大舞台で長年のライバルとの大一番が期待されます。

ルールは同じ

パラバドミントンのルールは、オリンピックのバドミントンのルールと基本的に同じです。
1ゲーム21点方式で最大3ゲームを戦い、先に2ゲームを先取したほうが勝ちとなります。ラケットなどの使う道具やネットの高さも同じですが、唯一の違いはクラス分けに応じてコートの使用範囲が変わることです。
クラス分けは、障害の程度に応じて車いすのクラスが2つあるほか、立ってプレーするクラスでは腕や足、低身長など4つに分けられます。
このうち、車いすのクラスと足の障害の比較的程度の重いクラスのシングルス種目だけが、移動の制約が大きくなるためコートを半面しか使いません。義足や車いすを巧みに使いこなしながら、障害を乗り越えた選手たちの躍動感あふれるプレーが魅力の新競技です。