社会

この2か月が「まさに山場」 尾身会長 感染対策徹底求める談話

新型コロナウイルスの感染が東京都などで再拡大する中、政府の分科会の尾身茂会長が、4連休や夏休み、オリンピックを前に感染対策の徹底を求める談話を出しました。この2か月が「まさに山場だ」としていて、感染拡大を少しでも抑えるために、県境を越えた移動をできるだけ控えるよう求めています。
分科会の尾身会長は16日午後、記者会見を開き、「夏休み期間中の感染拡大を防ぐために」と題した談話を発表しました。

この中では、現在の感染状況について東京都を中心とした大都市で感染の拡大傾向が明確になり、さらなる感染拡大の可能性が高まっているとしています。

そして今後、4連休や夏休み、お盆、東京オリンピック・パラリンピックなど、人出が増える機会が集中するため、この2か月間が感染対策において「まさに山場だ」として、緊急事態宣言の期間中に拡大を少しでも抑えることが求められると強調しています。

そのうえで、この時期に特に必要な具体的な対策として、感染拡大を少しでも抑えるために県境を越える移動をできるだけ控え、帰省先の高齢者がすでに2回のワクチン接種を済ませている場合でも、帰省の2週間前から感染予防対策を十分に行ったうえで会うよう求めています。

また、最近、国立感染症研究所の研究で、大人数や長時間の飲食で感染の危険性が高まる傾向が明らかになってきたとして、ふだん会わない人との会食や、大人数や長時間に及ぶ会食を控えるよう求めました。

さらに、外食する場合は、感染対策を取っていることを自治体が認証している飲食店を利用し、自宅での大人数の食事会やいわゆる「路上飲み」も控えてほしいとしています。

そして、来週から開催される東京オリンピックについて、応援は自宅で行い、広場や路上、飲食店などでの大人数の応援を控えるよう求めました。

「全国で感染拡大の危機感共有したい」

尾身会長は、県境を越えた移動を控えるよう求めたことについて「東京を中心にすでにリバウンドの状況に入っている中、感染力が強いデルタ株への置き換わりが進み、感染拡大のスピードがこれまでとは違ってきている。地方でも感染拡大が始まりつつある。そのうえに夏休みで人流が増加することで、全国で感染拡大や医療ひっ迫のリスクが高まってしまう。この危機感を共有したい」と述べました。

そのうえで、沖縄県でことし5月の大型連休のあと感染が急拡大したケースを例に「沖縄県では県外からの人流が増加したあと、時間をおいて感染者の増加が確認された。北海道でも同じ傾向が見られ、地域の外からの旅行者が増えると現地で感染が広がることは明らかで、こうしたことを防がなければならない」と強調しました。

また、会見で尾身会長は、ワクチンの接種率が今後、向上した場合に▽感染状況や医療体制への負荷にどのような影響が出るかや、▽人々の生活が具体的にどう変わるのかなどについて、緊急事態宣言が解除される前に分科会としての考えを示すと明らかにしました。

尾身会長は「希望する人のほとんどがワクチンを打った場合でも感染がゼロになることは考えにくい。大きなクラスターが起きる心配がほとんどなくなるというのが最もよいシナリオで、時々クラスターが起きるとか、リバウンドが起きてしまうという想定も考えられる。接種が進んだときに社会や生活がどうなるのか、感染症の専門家として集中して検討したい」と話しています。

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