社会

最低賃金 過去最大の28円引き上げ 審議会が目安まとめ答申

今年度の最低賃金について厚生労働省の審議会は、すべての都道府県で過去最大の28円引き上げて全国平均で時給930円とする目安をまとめ、厚生労働省に答申しました。
最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、現在、全国平均で時給902円となっています。

今年度の最低賃金について、労使の代表などが参加する厚生労働省の審議会は議論を続けた結果、▽非正規雇用で働く人の待遇改善が求められることや、▽企業利益は産業全体では回復が見られることなどから、すべての都道府県で一律に28円引き上げ、全国平均で時給930円とする目安をまとめ、16日、厚生労働省に答申しました。

28円の引き上げ幅はこれまでで最も大きくなっていて、目安のとおりに引き上げられた場合、最も高いのは東京都の時給1041円で、すべての都道府県で時給800円を超えます。

一方で16日の審議会では、この目安を都道府県に示すことについて、企業側の一部の委員が「大幅な引き上げは雇用の減少や倒産の増加など地域経済への影響が懸念される」として反対し、全会一致の取りまとめにはなりませんでした。

今後はこの目安をもとに都道府県ごとに設置された審議会で議論が行われ、実際の引き上げ額が決まります。

新しい最低賃金はことし10月から順次、適用される見通しですが、新型コロナウイルスの影響が続く中、都道府県ごとの議論でどのような判断が示されるのかが焦点となります。

日商三村会頭「政府意向に配慮した審議 大きな問題」

今年度の最低賃金について、厚生労働省の審議会は過去最大となる28円引き上げて全国平均で時給930円とする目安をまとめて答申しましたが、取りまとめに当たっては日本商工会議所などの一部の委員が反対しました。

これについて、日本商工会議所の三村会頭は「今回の答申では、労使の間で中立的な立場となる学識経験者の委員からできるだけ早く時給1000円に引き上げるとする政府の意向に十分に配慮して審議を行ってきたとの見解が示されている。客観的な議論にもとづいて結論を導き出すべきで、ここに大きな問題を感じている」と述べ、審議の在り方を批判しました。

そのうえで「マーケットのことはマーケットに聞けということばがあるように、賃金も結局、当事者どうしの交渉や労働力の需給状況によって、決めるべきだ」として、最低賃金の目安を決めるにあたっては、経済情勢を踏まえた客観的な議論が必要だと強調しました。

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