熱海 土石流 盛り土が大量の水含み威力を増したか 専門家指摘

盛り土が多く含まれる静岡県熱海市の土石流は、自然の地盤で起きる土石流よりも水の割合が多かったことが、専門家の調査で分かりました。専門家は、盛り土のほうが水を含みやすい特徴があり、大量の水で土石流のスピードが速くなって威力を増したのではないかと指摘しています。

これは、現地調査した、地質学が専門で静岡大学防災総合センターの北村晃寿教授が15日、明らかにしました。

それによりますと、土石流現場で採取した土砂を分析した結果、含まれる水の割合は、土石流の上のほうで31%、下のほうで36.2%だったということです。

自然に堆積した地盤で起きる土石流では多くの場合、水の割合は10%から25%程度で、今回の土石流は水を多く含んでいたことから、流れるスピードが速くなって威力を増し、被害範囲も拡大したとみられるということです。

土石流が水を多く含んでいた理由については、盛り土は自然の地盤に比べると土砂の中に隙間が多く、大量の水を吸収して一気に流れ落ちたのではないかと指摘しています。

北村教授は「土石流は、地形だけでなく含まれていた水の影響でエネルギーを増したとみられる。盛り土は自然ではたまらない量の水をためる可能性があり、各地でも工法や排水設備などに注意する必要がある」と呼びかけていました。

進まぬ捜索と土砂の撤去 重機投入はまだ一部

熱海市で起きた大規模な土石流は15日で発生から12日になりました。

行方不明者の捜索は大量の土砂に加え、急な斜面という地理的な条件も加わり難航しています。

伊豆山地区では土石流は川沿いの住宅を巻き込みながら、およそ2キロ先の海にまで達しました。
捜索活動はどこまで進んでいるのか。

14日までに重機を投入できたのは被害エリアの中央部分だけです。
山側と海側は急斜面や大量の土砂が妨げとなって、重機を入れることができません。
このため捜索が難航しているのです。

こうした状況を打開しようと急ピッチで進められているのが、重機を通すためのルート整備です。

このうち山側のエリアでは、斜面に丸太や木の板を敷くなどして応急的なスロープが整備され、15日午後、初めて重機を入れることができたということです。

一方海側のエリアでは、新幹線の線路沿いに大量の土砂が積もっていて、その先にある捜索エリアへの進入を阻んでいます。

現場では重機を使った撤去作業が続いていて、自衛隊などは、17日にも新たなルートを切りひらき、難航する捜索を加速させたいとしています。