五輪間近 ”新型コロナ””熱中症” 医師らには難しい対応が

今月23日の東京オリンピック開幕まであと8日。

東京都に4回目の緊急事態宣言が出されたことなどから、今回のオリンピックは首都圏をはじめほとんどの会場で「無観客」となりますが、各地の会場は梅雨が明け夏本番を迎える中、会場で救護にあたる医師にとっては新型コロナウイルスと似た症状との見極めに苦慮する時期になります。

それは発熱やだるさなどの点で共通する「熱中症」かどうかの見極めです。

選手や会場のスタッフの感染防止に気をつけながらどう対応していくのか、実際に競技会場で医療活動にあたる医師などを取材しました。

まもなく開幕 各地の日中の予想最高気温は?(15日時点)

今月23日の東京オリンピックの開幕に先立ち、21日には札幌市と宮城県利府町、東京調布市で女子サッカーの試合が、福島市ではソフトボールの試合が行われます。

また22日には、札幌市と東京都調布市、茨城県鹿嶋市、横浜市で男子サッカーの試合が、福島市ではソフトボールの試合が行われます。
気象庁が15日午後5時に発表した週間予報では、開会式の行われる23日の予報はまだ入っていませんが、開幕前に競技が行われる21日と22日の2日間は、北日本を中心に気温が上がり、各地の最高気温は30度前後の暑さとなる見込みです。

来週21日の会場近くの日中の最高気温は、
▽東京の都心と福島市で32度
▽横浜市で31度
▽札幌市で30度
▽仙台市で29度
▽千葉県銚子市で28度と予想されています。

また22日は、
▽東京の都心で31度
▽札幌市と福島市、横浜市で30度
▽銚子市で28度
▽仙台市で27度と予想されています。

気象庁はできるだけ日ざしを避け、こまめに水分を補給するなど、熱中症に十分注意するよう呼びかけています。

強化試合出場した選手「夜の試合でも暑さ対策必要」

暑いのは日中だけではありません。夜になっても気温や湿度の高い状態が続き、プレーする選手にとって厳しい条件となる可能性を語った選手もいます。

14日に京都でオーストラリアとの強化試合を戦ったサッカー女子日本代表の岩渕真奈選手は「ピッチの上は湿度が高い。昼とは違うきつさがあった。夜の試合だから大丈夫かと思っていた分、想像よりきつかった」と日本独特の暑さへの心構えや対策が必要なことを指摘しました。

会場で救護にあたる医師らの対応は

昼夜を問わず、選手たちが熱中症の危険と隣り合わせとなる競技会場の中で、医師をはじめ医療スタッフはどのように対応しようとしているのでしょうか。

東京 墨田区にある「東京曳舟病院」では通常診療に加え、新型コロナの入院患者の受け入れ、発熱外来の対応、そしてワクチン接種も行う中で、副院長を務める三浦邦久医師を始め、合わせて8人の医師や看護師が休日返上で東京大会の救護に協力します。

広大な会場

三浦医師らが担当するのは、ボートとカヌー、それに馬術が行われる江東区の「海の森公園」周辺のエリアで、無観客が決まったものの運営にあたるスタッフやボランティアへのケアに当たります。

今月11日に現地の視察会に参加した三浦医師は、およそ2キロの距離のボート会場に加え、馬術が行われるクロスカントリーの会場はエリアが広くて状況を無線でしか把握できないことが分かりました。

三浦医師は「傷病者が長い距離を移動せざるをえず、海からの照り返しも強くて熱中症が起きる可能性が高い競技場の1つだと感じた」と話していました。

対応策は

さらに、熱中症と新型コロナは発熱やけん怠感など似た症状が多くあり、見極めが難しいといいます。

従来の熱中症への対応では霧吹きで水をかけ、大型扇風機の風を当てて水分を気化させることで熱を下げていましたが、コロナへの感染の疑いを考慮すると飛まつなどが広がるのを抑えるため、扇風機は使いません。

そのうえで、陰圧テントの中で抗原検査を行い氷や冷やした布団を使い体温を下げるということです。

医師「傷病者できるだけ少なく 必要なら対応していくしかない」

三浦医師は「発熱していた場合は、まずコロナを疑って陰圧テントの中で対応する。コロナ禍の大会で傷病者をできるだけ少なくし、我々が必要とされているならば対応していくしかないと思っている」と話していました。