社会

ワクチン「調整枠」“不足自治体に配分” “裁量ない”の声も

新型コロナウイルスワクチンの供給量が減少し接種の予約を取り消す動きなどが相次ぐ中、国は都道府県の裁量で市区町村に配分できるワクチンを「調整枠」として割り当て、効率的な接種につなげるよう求めています。この「調整枠」を来月はどのように使う予定か都道府県に取材したところ、ワクチンが不足している自治体に重点的に配分するというところが多い一方で、「調整枠」が少なく実質的にはほとんど裁量がないという声も聞かれました。
ワクチンをめぐって国は、一定量の在庫があると見なした自治体には人口に応じて配分する「基本計画枠」を1割減らし、減らした分を都道府県の裁量で分配できる「調整枠」としてワクチンが不足しているところに分配するよう求めています。

今月12日、厚生労働省は来月2日と9日の週に配送する合わせて1万箱=1170万回分のファイザーのワクチンの配分量を示し、46の市と区で「基本計画枠」を削減するとともに、削減した分を加えた合わせて2298箱=268万8660回分を「調整枠」として都道府県に割り当てました。

この「調整枠」をどのように使う予定かNHKが47都道府県に取材したところ、多くが「これまでの配分量や接種状況、人口規模などを踏まえてワクチンが不足している自治体や不足しそうなところに重点的に配分する」と答えました。

このうち三重県は63箱=7万3710回分の調整枠がありますが、県内すべての29の市と町に調査を行い、残っているワクチンの量や1週間の接種能力などを計算して来月前半にワクチンが不足しそうなところに配分するということです。
一方で「基本計画枠を削減された自治体に調整枠から戻す形で配分した」というところもあったほか「調整枠が少なく、実質的には裁量はほとんどない」という声も聞かれました。

「調整枠」が273箱=31万9410回分と、全国で最も多い東京都は「調整枠のうち261箱は大規模接種会場用とされており、残りの12箱のうち11箱は来月後半の段階で在庫が少なくなるところに配分するよう国から具体的な自治体名が示されている。都の裁量で決められるのは実質、1箱だけだった」としています。

「どのように配分しても不足している状況に変わりはない」とか「公平性に理解を得られるのか不安だ」といった意見も複数ありました。

厚生労働省は「市区町村の状況をよりわかっている都道府県が実態に合わせた配分を行ってほしいという考えから今回の仕組みを導入した。今後も同じ方針で配分していく予定なので接種のペースを調整していただきたい」としています。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

News Up

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。