感染拡大のインドネシアから 日系企業駐在員らの帰国便到着

インドネシアで新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、現地の日系企業が駐在員らを帰国させるための便が14日、成田空港に到着しました。

インドネシアでは「デルタ株」と呼ばれる変異ウイルスの広がりなどから13日、過去最多となる4万7899人の感染者が新たに確認され、現地の日本大使館によりますと、先月26日から今月12日までの間に、30代や40代の人を含む日本人9人が亡くなっています。

このため、現地の日系企業の中には、駐在員やその家族を日本に帰国させる動きも出ていますが、航空各社によりますと、日本に向かう便の予約が難しくなっているということです。

こうした中、インドネシアの日系企業が、駐在員やその家族などを一時帰国させることになり、14日午後、駐在員らを乗せた全日空の航空機が、成田空港に到着しました。

到着したおよそ50人の駐在員らは、航空機を降りると、帰国時に求められるウイルス検査を受けるため空港内の検疫所に向かっていました。

インドネシアの日本人を帰国させるための便をめぐっては、日本航空が来週、運航を予定しているほか、全日空は今後も検討したいとしています。

日本企業駐在員 帰国の動き広がる

インドネシアで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、現地に拠点がある日本企業の間で駐在員を帰国させる動きが広がっています。

▽インドネシアに4つの生産拠点がある自動車メーカーのホンダは、幹部以外の駐在員が帰国を始めているということです。生産への影響は今のところないとしています。

▽三菱電機は、現地に駐在、出張するすべての社員に一時的な帰国の指示を出して、順次帰国しているということです。

▽日立製作所は、グループ全体で70人ほどいる駐在員のうち一部の人が帰国を決めたほか、残る駐在員も一時的な帰国を検討しているということです。

▽ソニーグループも、先週から、販売拠点にいる幹部以外のすべての駐在員を対象に一時帰国を始めています。

▽損害保険大手の三井住友海上では、13日の便で一部の駐在員が帰国したということです。