“支援金”申請 要請応じない店と取り引きしない誓約 東京など

東京や大阪など各地の自治体が、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した酒の販売事業者から支援金などの申請を受け付ける際、休業要請などに応じない飲食店との取り引きを行わないことの誓約を求めていることがわかりました。国が先月出した事務連絡を受けた対応だとしています。このうち愛知県は、14日夕方、こうした対応を取りやめると発表しました。

東京都は、飲食店への休業や時短要請に伴って、売り上げが減少した酒の販売事業者に対する支援金として、国の支給分と合わせて、ひと月、最大40万円を支給する予定です。

対象となる期間は、ことし4月から6月までの3か月間で、申請の受け付けが7月1日から始まりました。

都は、申請にあたって「取り引きを行う飲食店が酒類の提供停止を伴う要請に応じていないことを把握した場合には、当該飲食店との取り引きを行いません」などとする誓約書の提出を求めています。

これについて都は、6月11日付けの、国からの事務連絡に基づいた対応だと説明しています。

国の事務連絡では「飲食店が要請に応じずに営業を続けていることを知りながら取り引きを行っている酒類販売事業者について、支援金を支給することは適当でない」としています。

そのうえで「酒類販売事業者に対して、飲食店が要請に応じていないことを把握した場合には、取り引きを行わないよう努める旨の、書面の提出を求めるなどの取り組みを行うようお願いします」などとしています。

都は、政府が酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう求める要請を撤回したことを受けて、これまでの対応に変更が必要か、問い合わせているということで、担当者は「回答を待って検討したい」としています。

大阪府でも 支援金の申請に誓約

大阪府は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や時短要請に伴って、売り上げが減少している府内の酒の販売事業者に対し、国の支援制度に上乗せして支援金を支給しています。

この支援金を申請する際には、事業者に誓約書の提出を求めていますが、府によりますと、この中に「取引先の飲食店が府の要請に従っていない場合には、その飲食店との取り引きを行わないように努める」という誓約を求める文言があるということです。

府は、この文言について、内閣府から6月11日付けで都道府県宛てに出された事務連絡で、休業要請などに応じない飲食店と取り引きをしないよう努める書面の提出を求めるよう要請されたのを受けた対応だとしています。

酒の販売事業者への要請をめぐっては、政府が13日夜に、酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう求める要請を撤回しています。

府は、今後の政府の対応を見極めたうえで、支援金申請の内容について再度検討するということです。

愛知でも 応援金の申請に誓約

愛知県が、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した酒の販売事業者などから、「応援金」の申請を受け付ける際、酒の提供停止を伴う休業要請などに応じない飲食店との取り引きを行わないことの誓約を求めていたことがわかりました。県は、国からの事務連絡を受けた対応だったとしたうえで、14日夕方、こうした対応を取りやめると発表しました。

愛知県は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した酒の販売事業者などを支援しようと、対象となる事業者に応援金を交付することを決め、7月5日から申請の受け付けを始めています。

申請の際には事業者に誓約書の提出を求めていますが、愛知県によりますと、この中に、酒類の提供停止を伴う休業要請などに応じない飲食店との取り引きを行わないことの誓約を求める文言があったということです。

こうした誓約書の文言について、愛知県は、国から6月11日付けで都道府県宛てに出された事務連絡で、休業要請などに応じない飲食店と取り引きをしないよう努める書面の提出などを求めるよう、要請されたのを受けた対応だとしています。

これについて、愛知県は14日夕方、取り引き停止の誓約を求める対応を取りやめると発表しました。

愛知 大村知事「誓約書から文章を削除する」

愛知県の大村知事は、14日の会見で「応援金の申請にあたり、国は事業者から誓約書を取ってほしいということだったので、そのように対応した。ただ国税庁などが今月8日付けの通知をきのう付けで廃止したことを踏まえ、誓約書から文章を削除する」と述べ、14日付けで酒の販売事業者などに求める誓約書から休業要請などに応じない飲食店と取り引きしないとする文言を削除すると明らかにしました。

石川でも 支援金の申請に誓約書の提出

石川県は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した酒の販売事業者に対し、県独自に、ひと月最大20万円の「支援金」を支給するとして、7月5日から申請を受け付けています。

石川県によりますと、申請の際には「誓約書」の提出を求めていて、この中に休業要請や時短要請などに応じない飲食店とは取り引きをしないよう努めるとの項目があるということです。

これについて、石川県は「6月11日付けの国からの事務連絡で、こうした内容の書面を提出させるよう求められたため、誓約書に盛り込んだ。今後の対応については国に問い合わせている」と話しています。

加藤官房長官「支援の趣旨を踏まえ 対応をお願い」

加藤官房長官は午前の記者会見で「支援金は、酒類の提供停止を伴う休業要請などに応じた飲食店との取り引きによる影響を受けている酒類販売事業者に対し、支援を行うという趣旨であり、この趣旨を踏まえ、各都道府県において、対応をお願いしている」と述べました。