インドネシア 感染 過去最多5万人超 日系企業 帰国させる動き

インドネシアでは14日、新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が5万人を超えて過去最多となり、感染拡大に歯止めがかからない中、日系企業の間では駐在員を帰国させる動きも出ています。

インドネシアでは「デルタ株」と呼ばれる変異ウイルスの広がりなどから、14日に過去最多となる5万4517人の感染者が新たに確認され、死者も991人にのぼりました。

現地在住の日本人の間でも感染は広がり、インドネシアにある日本大使館によりますと6月26日から7月12日までの間に、30代や40代の人を含む日本人9人が亡くなっています。

医療体制がひっ迫する中、現地の日系企業の中には、大手を中心に駐在員やその家族を日本に帰国させる動きも出ていて、14日は日系企業1社が独自に航空機をチャーターし、駐在員らを帰国させるということです。

首都ジャカルタにある日系物流会社の駐在員、奥津聡さんは「今月に入り本社から退避勧告が出て帰国する人が増えた印象だ。ただ私のように1人駐在の企業の場合は、残っている人も多い」と話しています。

奥津さんは8月に家族を呼び寄せる予定でしたが、急きょ取りやめたということで「さみしい気持ちもあるが、インドネシアの医療が崩壊する中ではリスクが高い」と話していました。

日本企業の間で駐在員を帰国させる動き

インドネシアで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、現地に拠点がある日本企業の間で駐在員を帰国させる動きが広がっています。

インドネシアに4つの生産拠点がある自動車メーカーのホンダは、幹部以外の駐在員が帰国を始めているということです。

生産への影響は、今のところないとしています。

三菱電機は、駐在員や現地に出張している社員の全員に一時的な帰国の指示を出し、順次、帰国しているということです。

また、日立製作所はグループ全体で70人ほどいる駐在員のうち一部の人が帰国を決めたほか、残る駐在員も一時的な帰国を検討しているということです。

ソニーグループも、先週から、販売拠点にいる幹部以外のすべての駐在員を対象に一時帰国を始めています。

また、損害保険大手の三井住友海上では13日の便で一部の駐在員が帰国したほか、食品大手の味の素でも、現地法人の幹部を除いてすべての社員が一時帰国したということです。