熱海 土石流 1人の遺体見つかる 死者11人に 17人行方不明

大規模な土石流が起きた静岡県熱海市では13日も現場で捜索が行われ、警察などによりますと新たに1人が遺体で見つかりました。亡くなった人は11人となり、今も17人の行方が分かっていません。

今月3日、静岡県熱海市の伊豆山地区で起きた大規模な土石流では、住宅などおよそ130棟が被害を受けました。

13日も警察や消防、自衛隊による捜索が続けられ、警察や県によりますと正午すぎ、新たに1人が遺体で見つかりました。

亡くなった人は11人となり、今も17人の行方が分かっていません。

現場では一部で重機が入れるようになったものの、多くのエリアでは大量の土砂が残され道幅が狭いため、手作業での活動を余儀なくされています。

警察や消防などは茶色くにごった水が谷筋を流れる中、行方が分からない17人の捜索を続けていました。

一方、伊豆山地区では一時、1100戸が断水し、これまでにおよそ7割が復旧しました。

被害が大きく復旧が見込めない240戸を除くと、13日午後3時の時点で75戸で断水が続いているということです。

通行止めや断水続き 住民は

大規模な土石流は13日で発生から10日となります。

現地では道路の通行止めや断水が続いていて、住民からは生活の不便さなどを訴える声が聞かれました。

静岡県や熱海市によりますと、土石流が起きた伊豆山地区では12日午後の時点でガスの供給が151戸で停止しています。

また、海沿いを走る国道135号線は、熱海市の中心部から神奈川県との県境付近まで、およそ8キロにわたって通行止めとなっているほか、周辺を走る路線バスも運休が続いています。

13日朝、伊豆山地区にある仲道公民館に、市から配られる食べ物を受け取りに来た人たちからは、生活の不便さや将来への不安を訴える声が聞かれました。

72歳の男性は「同級生が1人犠牲になり、まだ1人、行方不明の同級生もいるので早く見つかってほしい。土石流で、まちが、かげも形もなくなってしまい、どうなってしまうのか心配です」と話していました。

また、70歳の男性は「自宅に被害はなく、水道もようやく使えるようになりました。ただ、国道の通行止めが続いているので、車で熱海駅方面に買い物に行くのが不便です。市が食べ物を配ってくれるのはありがたいです」と話していました。

他地域に移ること検討する人も

土石流で被災した地域の住民の中には、生活を支えるインフラの復旧が見通せない中、他の地域に移ることを検討する人もいます。

熱海市の伊豆山地区に住む関澤浩さん(54)は、12日に行われた「一時帰宅」で自宅の様子を確認しました。

集合住宅の隣の部屋には土砂が入り建物の一部が壊れましたが、関澤さんの部屋は風呂のバスタブにひびなどが入ったものの、部屋自体に大きな被害はなかったということです。

ただ、電気やガスが使えない状態だったほか、水道については市が「復旧不能」としているエリアに入っていて、再び使えるようになるかは見通せない状況です。

関澤さんは「ライフラインが使えないと生活は厳しいです。地域には建物が残っているところもありますが、高齢者も多く急な坂を歩いて水をくみに行くなどして生活するのは難しいと思います。ここに10年ちょっと住んでやっと地元の住民になりつつある中で残念ですが、離れざるをえないという心境になっています」と話していました。

生活インフラへの被害深刻に

熱海市の伊豆山地区では、水道管の破損によって240戸で水道の早期の復旧が難しいとされるなど、生活を支えるインフラへの被害が深刻になっています。

今月3日に発生した大規模な土石流で、熱海市の伊豆山地区では最大でおよそ1100戸で断水しましたが、復旧作業の結果、13日までに780戸余りで解消されました。

しかし、土石流によって水道管そのものが破損したエリアもあり、熱海市はこれらの水道管から水を供給していた240戸については「復旧不能」とし、早期の復旧は難しいとしています。

熱海市によりますと、中には建物の被害を免れたとみられる住宅もあるということですが、水道の復旧にはかなりの時間がかかり、自宅に戻って生活するのは困難な状況が続くということです。

熱海市水道温泉課の野中慎也課長は「復旧に全力を尽くしているが、被害の大きい範囲は河川や道路の計画が決まらないと復旧は難しい。住民の方たちにも丁寧に説明していきたい」としています。

このほか伊豆山地区では、電気が370戸、都市ガスが74戸で、早期の復旧が難しいとされていて、生活を支えるインフラへの被害が深刻になっています。