大谷翔平 ホームラン競争 1回戦敗退も平均飛距離はトップ

大リーグ、オールスターゲームのホームラン競争にエンジェルスの大谷翔平選手が日本選手で初めて出場し、1回戦で敗れましたが、延長戦を繰り返す熱戦で球場を沸かせました。

ことしの大リーグのオールスターゲームは、2年ぶりにロッキーズの本拠地、コロラド州デンバーで開催され、12日は前日恒例のホームラン競争が行われました。

ホームラン王争いを独走し、投打の二刀流で活躍する大谷選手は、大リーグ屈指の強打者8人がトーナメント形式で競うホームラン競争に日本選手で初めて出場し、開始前の選手紹介で壇上に上がると、スタジアムに詰めかけたファンからひときわ大きな歓声があがりました。

大谷選手は1回戦の最後に登場しましたが、先攻のナショナルズの若手スラッガー、ソト選手が4分間で22本を打ったのに対して、はじめは高い弾道の打球が飛ばせず苦しみ、途中で45秒間の休憩を取った際には、花巻東高校の先輩でマリナーズの菊池雄星投手から飲み物を受け取り、チームメートのトラウト選手からは電話で激励を受けるなど、休憩中もファンを沸かせました。

トラウト選手からの電話の内容について大谷選手は「リラックスしてっていう。途中は疲れていたのであんまり聞き取れなかった」と笑顔で明かしました。

大谷選手は、その後ペースをあげて最初の3分間で16本、144.7メートル以上のホームランを打って獲得したボーナスタイムの1分間で6本を打って、ソト選手に並び延長戦となりました。

1分間で行われた延長戦は、2人とも6本ずつで決着がつかず、再延長となり、1人3回のスイングで争った結果、先攻のソト選手が3スイングともホームランを打ったのに対し、大谷選手は最初のスイングでホームランを打てず、28対31で1回戦敗退となりました。

大谷選手は、合計5分間バットを振り、28本のアーチを放ち、最長156.3メートルの特大の1打も出るなど見せ場は十分に作り、延長を繰り返す熱戦に球場は大いに沸きました。

初戦で敗退しましたが、打ったホームランの平均飛距離は141.7メートルで1回戦の8選手中トップでした。

優勝はメッツのアロンゾ選手で、1回戦で今回最多の35本を打ち、準決勝は、大谷選手に勝ったソト選手を16対15で破り、決勝は、オリオールズのマンシーニ選手に23対22で競り勝ちました。

アロンゾ選手は2019年の前回に続き2連覇です。翌日の13日はオールスターゲームが行われ、大谷選手が史上初めて投打の二刀流で出場します。

大谷「疲れたけど楽しめた」

2回の延長戦の末、1回戦で敗れた大谷選手は直後のインタビューで「疲れました。延長、延長だったのでなかなかないことだと思いますが、最後の30秒がすごく長くてすごく疲れました」と息を弾ませながら話しました。

そして「雰囲気もすごく楽しめたし、いい経験になりました。勝てなかったけど、見ていた方も雰囲気だけでも楽しんでくれたらうれしいです」と初めて出場したホームラン競争を楽しんだ様子でした。

大谷選手は翌日のオールスターゲームで史上初の投打の二刀流で出場することになっていて「これから休んであしたに備えたい。あしたは試合なので、そこに向けて頑張りたい」と話していました。

会場は標高約1600mの高地 飛距離150m超のホームランが何本も

これまでのホームラン競争での最長飛距離は、2002年に当時カブスのサミー・ソーサさんがマークした159.7メートルで、映像解析を行うスタットキャストが2015年に導入されて以降は2017年にヤンキースのジャッジ選手がマークした156.3メートルでした。

ことしのホームラン競争では、1回戦で地元・ロッキーズのストーリー選手が157.8メートルをマークしてジャッジ選手の記録を更新すると、メッツのアロンゾ選手も156.6メートルをマークしました。

そして、大谷選手と1回戦で対戦したナショナルズのソト選手が158.5メートルの特大アーチでストーリー選手の記録を更新しました。

注目の大谷選手は1回戦で延長戦の末にソト選手に敗れましたが、ジャッジ選手に並ぶ156.3メートルの大きな当たりを打ち、持ち味は見せました。

ことしの会場となっているコロラド州デンバーのクアーズフィールドは、標高およそ1600メートルの高地にあり、気圧が低く空気抵抗が抑えられるため打球の飛距離が伸びる球場として知られていて、そうした条件にも後押しされ、各選手が持ち前のパワーを存分に発揮する展開となりました。

“ボールホーク”続けるファン「大谷のホームラン追い続けたい」

ホームラン競争には、球場でホームランボールを捕ることを趣味にした「ボールホーク」と呼ばれる人たちも全米から集まります。

その1人、ニューヨーク出身のグレッグ・バラッシュさん(31)は「ボールホーク」活動を15年続けていて、これまでに実におよそ4000個のボールをキャッチしてきました。

毎年30試合ほどを球場で観戦しているということで、今シーズンは開幕直後の4月9日に、エンジェルスの大谷翔平選手の大リーグ通算50号のホームランボールをキャッチし、両手をあげて喜ぶ姿が話題になりました。

ホームラン競争の前にバラッシュさんを直撃すると、ホームランをつかむコツは「まず何試合か見に行って、選手のバッティング練習を見て、どんなタイプの打球を打つのか引っ張るのか、流すのか、ドライブするのかを観察することが重要だ」と明かし、ホームラン競争では大谷選手が引っ張ると予想していました。

しかし手に入ったチケットはレフト側の席だったため、大谷選手がこの日打った28本のホームランはキャッチできませんでした。

それでも、ロッキーズのストーリー選手とオリオールズのマンシーニ選手という右バッター2人のホームランボールはキャッチし、バッティング練習の時のホームランも含めてこの日はあわせて7個のボールを持ち帰っていました。

バラッシュさんは「大谷が優勝できなかったのは残念だが、すごくいいショーだったし、何より楽しそうだった。去年は中止だったホームラン競争が戻ってきて私も本当にうれしかったし、楽しかった。これからも大谷のホームランを追い続けたい」と笑顔を見せていました。