コロナ禍で飢餓人口急増 世界人口の10人に1人に 国連が警鐘

WFP=世界食糧計画などの国連機関は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で去年1年間で飢えに苦しむ人は前の年よりも1億人以上増え、世界の人口の10人に1人にあたる7億6000万人余りに上ったと発表し、国際社会にさらなる取り組みを呼びかけました。

WFPやFAO=食糧農業機関など5つの国連機関は12日、世界の食料問題に関する報告書を共同で発表しました。

それによりますと世界で飢えに苦しむ人の数は、去年1年間で推計でおよそ7億6800万人に上ったということです。

これは前の年より1億1000万人余り増え、世界の人口の10人に1人にあたるということです。

地域別に見ると、アジアで4億1800万人、アフリカで2億8160万人と、いずれも前の年より増えたということです。

増加の背景について報告書では、地球温暖化の影響で干ばつや洪水の発生が相次いでいることや、各地で内戦や紛争が続いていることに加え、新型コロナウイルスの感染拡大で仕事を失った人が増えたことなども影響していると分析しています。

報告書で5つの国連機関のトップは「パンデミックは食糧システムの弱点を露呈し、世界の人々の命や暮らしを脅かしている」と警鐘を鳴らし国際社会にさらなる取り組みを呼びかけました。