記録的大雨 事前予測の4倍も 梅雨末期 予想と実態ずれ多い

梅雨前線の影響で、先週末から12日朝にかけては中国地方や九州南部を中心に記録的な大雨となり、各地で被害が相次ぎました。気象庁によりますと一連の大雨では、雨量が事前の予測の4倍にも達した地域もありました。梅雨末期のこの時期は、活発な積乱雲が発生する場所を正確に特定するのが難しく、観測された雨量が予測を大きく上回ることがあります。

10日、九州南部を中心に線状に発達した雨雲が次々にかかり、鹿児島県では局地的に猛烈な雨が降り続き、薩摩川内市やさつま町など川内川の流域を中心に住宅の浸水や土砂崩れなどが相次ぎました。

さつま町付近では10日未明、レーダーによる解析でおよそ120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、24時間の雨量が473ミリと観測を始めてから最も多くなりました。

一方、気象庁が9日夕方に発表した予想では、さつま町を含む鹿児島県薩摩地方で10日午後6時までの24時間に降る雨の量を100ミリと見込んでいて、同じ時間帯に実際に観測された雨量、408.5ミリとは大きく異なりました。

この理由の1つとして、気象庁は太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気の量が予想よりも多く九州南部に流れ込み続け、雨量が急激に増えた可能性があると分析しています。

また、今月8日にも中国地方で記録的な大雨となり、鳥取県では倉吉市や鳥取市で48時間の雨量が300ミリを超え、統計を取り始めてから最多となりました。

この雨の前日、気象庁は事前には山陰の大雨を最も警戒していましたが、実際には南側の瀬戸内側で予想を上回る雨量となりました。

これについて気象庁は、関門海峡と豊後水道付近から流れ込む暖かく湿った空気の量が予想を上回って、積乱雲が次々と発生した可能性があるとしています。

正確に見積もるのが難しい「梅雨末期」

一方、12日日中、山陰で再び活発な雨雲が流れ込みました。

レーダーによる解析では、午前10時までの1時間に島根県雲南市付近でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、その後も非常に激しい雨が断続的に降りました。

昼すぎまでの12時間の雨量は、鳥取県境港市で204.5ミリ、松江市鹿島で167ミリに達しました。

気象庁は12日朝、山陰で予想される雨について1時間の雨量を50ミリ、24時間の雨量を100ミリと予想していました。

西日本から北日本では、この時期としてはやや強い寒気が流れ込み、暖かく湿った風も供給され、猛烈な雨を降らせたとみられるということです。

「梅雨末期」には予想と実態がずれることはこれまでも多くあり、気象庁は「いつどこでどの程度の雨が降るか、正確に見積もるのは難しい」としています。

13日も大雨のおそれ 気象庁「状況急変も考慮に入れて」

大気の不安定な状態は13日にかけて続き、局地的に大雨となるおそれがあります。

その後、今週末にかけては東北から九州にかけての広い範囲で雨雲が発達しやすく、予想雨量を上回る雨量になる可能性もあるとしています。

気象庁は、状況が急変することも考慮に入れて、最新の気象情報や自治体の避難情報をこまめに確認し、危険が差し迫る前に地域の危険を把握し、避難の準備をするなど大雨への備えを進めるよう呼びかけています。