“五輪・パラで感染拡大すれば 女性により負担” 大会中止訴え

東京オリンピック・パラリンピックの開催を通じて感染が拡大することがあれば、厳しい状況にある女性により負担がかかるとして、女性医師や支援団体などが海外メディアに大会の中止を訴えました。

中止を訴えたのは、日本女医会の医師や性暴力の根絶を訴えるフラワーデモの呼びかけ人など、3人の女性です。

女性たちは12日、日本外国特派員協会で会見し、ことし6月までの女性の自殺者が去年の同時期と比べて25%増加し、男性の3倍以上の割合で増えていることや、DV=ドメスティック・バイオレンスの昨年度の相談件数が前の年に比べおよそ1.6倍に増加していることなど、感染拡大が続く中で女性たちに大きな負担がかかっていると説明しました。

そのうえで、東京大会の開催を通じて感染が拡大することがあれば、女性がさらに苦しい状況に置かれるおそれがあるとして、大会の中止を訴えたほか、海外の関係者に対しなるべく来日を控えてほしいと呼びかけました。

日本女医会の青木正美理事は「世界中の女性、特に経済的に弱い国や立場にある女性により負担がかかるのがパンデミックです。大会の中止とともに、来日した方々には帰国したときに自主隔離をして、感染を広めないよう訴えていきたい」と話していました。

中止求める動きほかにも

東京オリンピックの開幕が迫る中で、大会中止を求める動きはほかにも出ています。

今月2日には学者や作家、ジャーナリストら10人余りが大会の中止を求めるインターネット上の署名を新たに始め、これまでに13万人を超える賛同が集まっています。

呼びかけ人の1人で元外交官の飯村豊さんによりますと、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されることが発表された今月8日には署名が急増したということで、来週にも東京都などに署名を提出する予定だということです。

このほか、今月7日には障害のある女性たちがオンラインで会見を開き、障害や難病により、24時間介助が必要で人との接触が避けられないものの、感染すれば重症化や命が脅かされるおそれがある人がいるとして、再び感染が拡大する中で東京大会を開催しないよう、中止を求める声明を出しています。