自民 最低賃金引き上げと中小企業などの支援策強化 政府に提言

最低賃金の今年度の引き上げをめぐる大詰めの議論を前に自民党は、新型コロナウイルスの影響で賃金格差が広がっているとして引き上げを求める一方、雇用の維持との両立を図るため、中小企業などへの支援策も強化するよう政府に提言しました。

最低賃金をめぐって政府は、ことしの骨太の方針で、現在の全国平均で時給902円から、1000円とすることを目指して引き上げに取り組むとしていて、今年度の引き上げについて厚生労働省の審議会で、13日から大詰めの議論が行われます。

これを前に、自民党の下村政務調査会長は、加藤官房長官に党の提言を申し入れました。

提言では、新型コロナウイルスの影響で賃金格差が広がり、最低賃金の引き上げは不可欠だとしたうえで、雇用の維持との両立を図るため、雇用調整助成金の特例措置の延長など、中小企業や小規模事業者への支援策も強化するよう求めています。

これに対し、加藤官房長官は「しっかり受け止めて、検討したい」と述べました。

下村氏は、記者団に対し「最低賃金を、コロナ禍の前と同じ水準で3%程度引き上げるイメージを持っている。企業の経営悪化や従業員の解雇につながるのを避けるため、中小企業への支援も合わせて強化すべきだ」と述べました。

官房長官「賃上げしやすい環境整備が不可欠」

加藤官房長官は午後の記者会見で「政府として、中小企業や小規模事業者への支援については、党の提言もしっかりと踏まえて検討していきたいと申し上げた」と述べました。

そのうえで「最低賃金を引き上げるためには、中小企業や小規模事業者が賃上げしやすい環境整備を行っていくことが不可欠であると考えている。引き続き、生産性向上などに取り組む中小企業への支援強化や下請け取り引きの適正化などに一層取り組んでいく」と述べました。