イギリスでは、変異した新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していて、1日の感染者は3万5000人を超える日も出ています。
こうした中、大規模なイベントの再開に向けた政府の調査の一環で11日、テニスのウィンブルドン選手権の男子決勝が1万5000人を収容するセンターコートをほぼ満席にして行われました。
会場には試合の数時間前から次々と観客が訪れ、ウイルス検査の陰性証明などを提示したうえで、入場していました。
会場内を移動する際にはマスクの着用が求められますが観戦中は必要ありません。
訪れた人たちは「陰性証明もあるしワクチンの接種も受けているので特に懸念はない」などと話していました。
大会の運営を担当するミシェル・ダイトさんは「本当に異例の状況での大会だった。期間中、大会に関連して何件か陽性が確認されたがクラスターなどはなく、大きな問題はなかった」と述べました。
11日夜にはサッカーのヨーロッパ選手権の決勝が、6万人を超える観客を入れてロンドンで行われていて、地元イングランドがイタリアと対戦しています。
スタジアム周辺では試合前からイングランドのサポーターがバスの上に乗って大声を上げるなど騒然としています。
またロンドン中心部のトラファルガー広場周辺でも酒に酔った人たちが路上を埋め尽くし、ビール瓶を投げたり銅像によじ登ったりして警察が出動する事態となっています。
イギリス コロナ再拡大の中 大勢の観客入れスポーツイベント
新型コロナウイルスの感染が再び急速に拡大しているイギリスで、テニスのウィンブルドン選手権とサッカーのヨーロッパ選手権の決勝が大勢の観客を入れて行われています。
感染者は1日3万5000人超の日も
ジョンソン首相 安全に実施できると強調
イギリスではインドで確認された変異ウイルスのデルタ株の感染が急速に拡大し、9日には1日の新規感染者数が3万5000人を超えるなど、ことし1月下旬以降で最も多くなっています。
一方で1月下旬には死者数が1000人を上回る日が続いていましたが、最近は20人から30人台となっています。
イギリスではワクチンを2回接種した人が18歳以上では65%を超え、政府はワクチン接種によって重症化を防げていて死者や入院患者の数も一定程度抑えられているとしています。
またサッカーやラグビーなどのプロスポーツのほか演劇やバレエなどの文化イベントは感染対策に伴う規制によって経済的に大きな打撃を受けていて、関係者からはいらだちや怒りの声があがっていました。
このためイギリス政府は大規模なイベントの再開に向けて、ことし4月から一定の条件のもとで大勢の観客を入れることを認める実態調査を行っていて、テニスのウィンブルドン選手権の決勝やサッカーのヨーロッパ選手権の決勝もこの一環です。
入場する観客にはウイルス検査の陰性証明やワクチンを接種してから2週間たっていることなど、いずれかの証明が求められるほか、会場内を移動するときにはマスクの着用が必要となります。
ジョンソン首相はこの対策でイベントは安全に実施できると強調していて、政府としては経済や社会活動の本格的な再開につなげたい考えです。
一方で1月下旬には死者数が1000人を上回る日が続いていましたが、最近は20人から30人台となっています。
イギリスではワクチンを2回接種した人が18歳以上では65%を超え、政府はワクチン接種によって重症化を防げていて死者や入院患者の数も一定程度抑えられているとしています。
またサッカーやラグビーなどのプロスポーツのほか演劇やバレエなどの文化イベントは感染対策に伴う規制によって経済的に大きな打撃を受けていて、関係者からはいらだちや怒りの声があがっていました。
このためイギリス政府は大規模なイベントの再開に向けて、ことし4月から一定の条件のもとで大勢の観客を入れることを認める実態調査を行っていて、テニスのウィンブルドン選手権の決勝やサッカーのヨーロッパ選手権の決勝もこの一環です。
入場する観客にはウイルス検査の陰性証明やワクチンを接種してから2週間たっていることなど、いずれかの証明が求められるほか、会場内を移動するときにはマスクの着用が必要となります。
ジョンソン首相はこの対策でイベントは安全に実施できると強調していて、政府としては経済や社会活動の本格的な再開につなげたい考えです。
政府の対応 批判の声も
テニスのウィンブルドン選手権はイギリスの初夏の風物詩として親しまれ、国民的スポーツのサッカーのヨーロッパ選手権では地元のイングランド代表が決勝に進出したこともあり、イギリス国内では多くの人が開催を歓迎し反対や懸念の声は目立っていません。
ただヨーロッパ選手権をめぐっては、イギリスでは試合を観戦した人などおよそ2000人の感染が確認されているほか、ロシアで試合を観戦したフィンランドのサポーターらおよそ300人が帰国後にウイルス検査で陽性と確認されています。
イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの調査では、イングランドの感染者はこの1か月ほどで4倍に増加していて、このうち男性が女性よりも30%ほど多いとみられると分析しています。
調査を行った専門家は「サッカーについては男性の方が濃厚接触しているというのが妥当な見方だ」として、スタジアムやパブなどで大勢の人たちが騒ぎながら観戦している状況が感染拡大につながっている可能性を指摘しています。
また国外からもドイツのメルケル首相やイタリアのドラギ首相などが大勢の観客をスタジアムに入れることに懸念を示しています。
一方イギリス政府は感染対策としてイングランドで続けてきた集会やイベントの人数制限やマスク着用の義務づけなど、ほぼすべての規制を今月19日に撤廃する計画を明らかにしています。
このためイギリスでは大勢の観客を入れたスポーツイベントの開催についてよりも感染拡大の中での規制の撤廃をめぐって議論になっていて、専門家からは政府の対応を批判する声も相次いでいます。
ただヨーロッパ選手権をめぐっては、イギリスでは試合を観戦した人などおよそ2000人の感染が確認されているほか、ロシアで試合を観戦したフィンランドのサポーターらおよそ300人が帰国後にウイルス検査で陽性と確認されています。
イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンなどの調査では、イングランドの感染者はこの1か月ほどで4倍に増加していて、このうち男性が女性よりも30%ほど多いとみられると分析しています。
調査を行った専門家は「サッカーについては男性の方が濃厚接触しているというのが妥当な見方だ」として、スタジアムやパブなどで大勢の人たちが騒ぎながら観戦している状況が感染拡大につながっている可能性を指摘しています。
また国外からもドイツのメルケル首相やイタリアのドラギ首相などが大勢の観客をスタジアムに入れることに懸念を示しています。
一方イギリス政府は感染対策としてイングランドで続けてきた集会やイベントの人数制限やマスク着用の義務づけなど、ほぼすべての規制を今月19日に撤廃する計画を明らかにしています。
このためイギリスでは大勢の観客を入れたスポーツイベントの開催についてよりも感染拡大の中での規制の撤廃をめぐって議論になっていて、専門家からは政府の対応を批判する声も相次いでいます。