五輪 福島県の会場も一転 無観客に ソフトボールと野球

今月開幕する東京オリンピック、福島市で開催されるソフトボールと野球について、いったんは観客を入れて開催されることが決まっていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大などから一転して無観客とすることが決まりました。

これは10日、組織委員会と福島県が発表しました。

福島県庁で記者会見を開いた福島県の内堀知事によりますと、今月21日、22日、28日に福島市の県営あづま球場で行われるソフトボールと野球について「無観客で行うよう、きょう組織委員会に要請し、了承を得た」と述べ、無観客にすると発表しました。

理由については、新型コロナウイルスの県内での感染状況が悪化していることや、北海道が観客を入れずに開催すると前夜に発表したことで、東京など1都3県以外は観客を入れて実施するという前提が覆ったためだとしています。

一般の観客だけでなく、県内の子どもたちを招待する「学校連携観戦チケット」も含めて無観客にするということです。

そのうえで「苦渋の判断だ。復興五輪の理念は、新型コロナウイルスとのたたかいのなかで大きく変わった。試合は開催されるので骨格は残っているが、われわれが思い描いていたものとは違うものになってしまった」と述べました。

福島市で行われるソフトボールと野球を巡っては、8日に行われた組織委員会や競技会場がある自治体などでつくる会議で観客を入れて開催することを決めたばかりで、開催直前に方針が大きく変わる異例の事態になっています。

開幕直前に二転三転 全体の97%が無観客に

北海道に続いて福島県でも無観客での開催になったことで「セッション」と呼ばれるチケット販売の単位では、全体のおよそ97%に当たる724セッションが無観客となり、観客が入るセッションは26だけになりました。

いったん観客を入れて開催することを決めていた会場が一転して無観客となるのは北海道に続いて2例目で、東京オリンピックは大会の根幹とも言える観客の扱いが開幕直前になって二転三転する異例の事態となっています。

無観客で競技が行われるのは東京など1都3県に加え、北海道と福島となり、観客を入れて開催するのは宮城、茨城、静岡の3県になりました。

野球 稲葉監督「やらせていただけるだけでありがたい」

東京オリンピックの野球が無観客となることについて、日本代表の稲葉篤紀監督は「われわれは野球ができる喜びをしっかり感じなければいけないし、やらせていただけるだけでもありがたい。無観客でもテレビの前で応援している人がたくさんいるので、全力でしっかり戦いたい」と話しました。

声援のない静寂の中で戦うことについては「選手はたぶん慣れていると思うが、私自身が雰囲気の違いに飲み込まれないよう、しっかり集中できるようにしていきたい」と話していました。

ソフトボール 宇津木監督「映像を通して感動を」

ソフトボール日本代表の宇津木麗華監督は「先ほど報道で知りましたが、私たちは映像を通して皆様に感動を与えられるような試合をすることに全力で感張ります」と日本ソフトボール協会を通してコメントを出しました。

チケット きょう再抽選結果公表 いまは「入場不可」表示に

福島県の県営あづま球場で行われる野球とソフトボールのチケットの一部は、10日、再抽選の結果が公表されていました。

その後、福島県で行われる競技が一転して無観客で行われることになったことで、対象のチケットは再抽選で「有効」か「無効」かにかかわらず「入場不可」と表示され、ダウンロードできなくなっているということです。

これらのチケットはすべて払い戻しの対象となるということで、組織委員会は対象となるチケットを持つ人にメールで連絡して、対応などを伝えることにしています。

組織委「直後にこのような連絡 申し訳ない」

大会組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは「観戦可能な競技を周知した直後にこのような連絡となり、特にチケットホルダーに対し申し訳ない。オリンピックを楽しみに待っていた人たちの気持ちに応えられないことも残念に思っている」と話しました。

東京大会の理念の1つである「復興」を象徴する福島県の会場が無観客になったことについては「無観客とはなるが、ほかにもさまざまな形で復興に貢献できるよう活動している。競技は行われるので、この時代に世界中のチームが集うことのメッセージが多くの人に伝わってほしい」としています。

一方、観客を入れて開催する宮城、茨城、静岡の3県については10日午前、組織委員会が3県に対して改めて観客を入れて開催する意向を確認したということです。