学校での感染対策の注意点 宣言踏まえ追記し全国に通知 文科省

政府が東京都に対し4回目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言の延長を決定したことを踏まえ、文部科学省は9日、全国の教育委員会に小中学校や高校などに求められる感染対策の注意点を一部、追記して通知しました。

文部科学省では、学校現場での感染対策についてマニュアルや留意事項を示していて、今回の通知ではインドで確認された変異ウイルス『デルタ株』や、部活動の大会、修学旅行などについて詳しく明記しました。

具体的には、デルタ株の感染者数が増加し、今後置き換わりが進むことが想定されていると明記したうえで、感染力の強い変異株の拡大により3密ではない状況でもクラスターが発生した事案も確認されているとして注意を呼びかけています。

また部活動については、一部で練習や試合に伴う飲食が原因と思われるクラスターが発生している点については従来通り注意を促したうえで、これからの時期に多く開催されるスポーツ大会や音楽コンクールなどについて、生徒の心情なども考慮し、宣言の対象区域や重点措置区域で一律に中止とするのではなく、対策との両立を図って生徒が安心して参加する機会を確保してほしいとしています。

さらに、修学旅行や遠足、それに社会科の見学についても初めて明記し、その教育的意義や児童生徒の心情などを踏まえ、一律に中止するのではなく適切な感染対策を十分講じたうえで実施を検討してほしいとしています。

このほか本格的な夏を迎えるにあたり、体育など運動時のマスク着用については、これまで同様に緊急事態宣言の対象区域などにおいても体へのリスクを考慮し、マスクの着用は必要ないと断言しています。

特に呼気が激しくなる運動を行う際や、気温や湿度、暑さ指数が高い日は熱中症などの健康被害が発生するリスクがあるとして、十分な感染対策を講じたうえでマスクを外すよう改めて注意を促しています。