五輪チケット 全体の95% 大会後に払い戻しへ 首都圏 無観客で

東京オリンピックが東京など1都3県のすべての会場で観客を入れずに開催されることになったことで、チケット販売の単位では、全体の95%が無観客となり、それらのチケットは、大会のあと順次払い戻されることになりました。一方で、観客を入れるサッカーと野球・ソフトボール、それに自転車の3競技のうち、観客の上限を超えている会場は、チケットの再抽せんが行われ、結果は10日に発表されます。

東京オリンピックは、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県では、すべて無観客となり、北海道、宮城、福島、静岡、それに茨城の各会場は、制限付きで観客を入れて開催することになりました。

大会組織委員会は、観客を入れて開催する競技のチケットの取り扱いについて、9日に会見を開きました。

この中で、オリンピックの33の競技では「セッション」と呼ばれるチケット販売の単位ごとに、750セッションのチケットを販売していましたが、95%にあたる716セッションが無観客の対象となることを明らかにしました。

そのうえで、無観客となったセッションのチケットについては、大会のあと、順次、払い戻しすると説明しました。

一方で、観客を入れる34のセッションは、
▽サッカーと、
▽野球・ソフトボール、
それに、
▽自転車の3競技のみで、
このうち野球・ソフトボールと、サッカーの7つのセッションが、観客の上限を超えているということです。

そこで、これらのセッションについては再抽せんを行い、10日未明に結果を発表するとしています。

再抽せんで、
▽「無効」となった人は、払い戻しの対象となり、
▽「有効」となった場合でも、希望する人は10日から7月20日まで、払い戻しの申請ができるということです。

東京オリンピックの一般向け観戦チケットは、これまで363万枚が販売されていましたが、そのほとんどが払い戻される見通しとなりました。

観戦チケット入手した人「決定の判断が遅い」

東京オリンピックで1都3県の会場が無観客と決まったことについて、観戦チケットを入手して心待ちにしていた人からは「決定の判断が遅い」という不満の声が聞かれました。

東京 渋谷区で不動産会社を経営している滝島一統さん(45)は、2006年のイタリアのトリノ オリンピックで競技を観戦する楽しさを知り、それ以降、夏、冬合わせて7大会連続で会場に足を運んできました。

東京大会では、多くの知り合いにも会場の雰囲気を楽しんでもらおうと、柔道や競泳など、およそ100枚のチケットを手に入れていましたが、すべて無観客になりました。

滝島さんは「オリンピックには会場でしか味わえない雰囲気や感動がある。日本で開かれる大会で、多くの人が経験できなくなったことは非常に残念だ」と話します。

そのうえで、組織委員会などの対応について「開幕まであとわずかとなってから無観客と決まるのは判断が遅すぎる。チケットの払い戻しの方法も具体的に示されておらず、あまりにもずさんで憤りを通り越して、あきれるしかない」と不満を表していました。