酒提供の飲食店と“取り引き停止を” 国が要請 抗議も

新型コロナウイルスの感染対策として、国が酒類の販売事業者に対し「緊急事態宣言」の対象地域などでは酒の提供を続ける飲食店と取り引きしないよう文書で要請したことがわかりました。業界からは反発の声も出ていて、業界団体の中には「きちんとした補償もない中で納得がいかない」と国に抗議文を提出したところもあります。

文書は、国のコロナ感染症対策推進室と国税庁が連名で8日、各組合を通じて酒類を販売する事業者に出しました。

「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の対象区域では、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、飲食店が要請に応じずに酒の提供を続けていることがわかったら、酒類の取り引きを停止するよう求めています。

一方、この要請に対しては業界から反発の声も出ていて、業界団体の1つ、全国小売酒販組合中央会は9日、国税庁などに抗議文を提出しました。

全国小売酒販組合中央会の水口尚人事務局長は「コロナの感染拡大防止に協力したいのはやまやまだが、経営が立ち行かなくなっている人たちもいる。きちんとした補償もない中で単に取り引きをやめろと言うのは、お願いという形であっても納得がいかない」と話しています。