五輪 ソフトボール豪代表 来日1か月 選手と監督が心境語る

東京オリンピックの開幕を前にいち早く来日して群馬県で事前合宿を行っている、ソフトボールのオーストラリア代表の選手と監督が取材に応じ、1か月余りにわたる外部との接触を制限された“バブル状態”での生活と、オリンピックへの思いを語りました。

ソフトボールのオーストラリア代表は、東京オリンピックに向けて群馬県太田市で事前合宿を続けていて、先月1日に来日してから1か月以上にわたって、宿泊するホテルとグラウンドだけを行き来する、いわゆるバブルの状態で生活しています。

選手たちは毎日欠かさず午前9時にPCR検査を受け、自室以外では必ずマスクを着用し、市民や宿泊客とも一切接触しないよう徹底した感染対策を続けていて、これまで陽性が確認された選手はいません。

ロバーツ投手「目標を達成するにはパーフェクトな環境」

中心選手のエレン・ロバーツ投手は、オンラインのインタビューで「何をしているときでも、全員が感染しないように徹底的に気をつけている。PCR検査も歯を磨いたり髪をとかしたりするのと同じ毎日のルーティンになっていて、私も周りの人たちも安全でいてほしいので、喜んで検査を受けている」と話しました。

そして、バブル状態での生活が続いていることについて「問題は外出する自由がほとんどないことだ。ただ、私たちは金メダルを獲得するために日本に来ているし、目標を達成するためにはパーフェクトな環境だ。この調整によって間違いなく自信は深まった」と話しました。

チームでは選手がリフレッシュできるよう、地元自治体などと話し合いを重ね、ホテルの中に簡易的なジムや卓球やゲームなどができる空間を作りました。

レイン・ハーロウ監督は「ジムがなかったら、ここで過ごす時間は厳しいものになっていただろう。選手の筋力を維持でき、メンタル面の準備にもよい影響を与えている」と話しました。

監督「地域を危険にさらさないため ルール尊重が大切」

ハーロウ監督は「唯一デメリットをあげると、選手たちが長い間自宅を離れなければならないことだが、日本に来たことで、これまで足りなかった試合がたくさん行えている。外出は球場だけという状態だが、満足している」と話しました。

ロバーツ投手は、太田市が選手のリフレッシュのために地元のショッピングセンターに連れて行く計画を立てていることについて「太田市の支援は感謝しているが、ソフトボールをしに来ている私たちには必要ないものだと考えている」と話しました。

ハーロウ監督に、制限のある生活を強いられてもオリンピックを開催する意味を尋ねると「選手のためだ。ソフトボールは13年間、オリンピックから遠ざかっている。多くの選手にとって、オーストラリアを代表してオリンピックに出場するのは初めてで、唯一のチャンスになるので、中止になったら選手たちは間違いなく精神的に打ちのめされてしまうだろう」と話しました。

また、最初に来日した選手団のため、安全に大会を開催するためにも特に対策を徹底してきたと明かし「私たちは感染対策の基準を本当に高く設定している。われわれと何より地域コミュニティーを危険にさらさないために、ルールを尊重することが大切だ。オリンピック期間中も選手や関係者がガイドラインを順守し、安全な環境が守られることを願っている」と述べました。

代表チーム ホテル内の様子は

ロバーツ選手やチームのマネージャーが撮影したホテル内の映像や写真です。

ミーティング会場では選手間の距離をとるために長い机にマスク姿の選手が1人ずつ座っているほか、食事はひとつのテーブルに4人ずつが座っていますが、それぞれアクリル板で仕切られています。

ミーティングや食事以外は、選手たちはほとんどの時間を自室で過ごしているということですが、オーストラリアから持ってきたというテレビゲーム機でゲームを楽しんだり、卓球をしたりして、リフレッシュしている様子がみられます。

また、外出できない選手のために、トレーニングを行うためにひとつの部屋に簡易的なジムが作られていて、来日当初はなかったフィットネスバイクやバランスボールなどのトレーニング器具や冷蔵庫が置かれていました。

初戦は7月21日

オーストラリア代表は開会式2日前の7月21日に、すべての競技の先頭を切って、福島市で日本代表と対戦します。