五輪 北海道でのサッカー競技 会場に上限1万人 観客入れ開催へ

東京など1都3県では無観客で開催されることになった東京オリンピックで、観客の扱いが唯一決まっていなかった北海道は、サッカーの競技会場に収容定員の50%以内で、上限1万人まで観客を入れて開催すると、大会組織委員会が発表しました。

東京オリンピックの観客について、8日に東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の会場では、いずれも観客を入れずに開催されることが決まりました。

一方で、宮城、福島、静岡の3つの県は、収容定員の50%以内で上限1万人とする原則で観客を入れ、茨城は学校連携観戦チケットによって子どもたちの観戦のみ認めることとしたものの、北海道だけは扱いが決まらず、検討が続けられていました。

その結果、組織委員会は「まん延防止等重点措置」が解除されることなどを受けて、北海道で行われるサッカー競技の会場には、収容定員の50%以内で、上限1万人まで観客を入れて開催すると発表しました。

ただ、終了が午後9時を過ぎる試合についての扱いは、引き続き検討するとしています。

同じ北海道で開催されるマラソンと競歩については、北海道と大会組織委員会が、沿道での観戦の自粛を呼びかけることを決めています。

鈴木知事「統一的な取り扱い 理解得られず残念」

北海道の鈴木知事は「私としては、無観客も含めた措置を決定する際には、首都圏だけではなく、オリンピック全体で統一的な取り扱いが必要だと、繰り返し、何度も申し上げてきた。その点について、理解を得られなかったことは、残念に思う」と述べました。

さらに、「今回の取り扱いには矛盾がある。東京では観客を入れたイベントが行われるのに、オリンピックは無観客となり、基本的対処方針よりも厳格な運用になった一方で、そのほかの地域では、対処方針に沿って観客を入れることになり、考え方に一貫性がない」と指摘しました。

そして、「1都3県からの観客が実質的に来ないような対策を講じることが、観客を入れて行う場合には必要だと思う。大会組織委員会の橋本会長にも直接、申し上げ、私の考え方については一定の妥当性があり、筋が通っているという話もあったので、どのように判断されるか、慎重に見極めていきたい」と述べました。

そのうえで鈴木知事は、「大会組織委員会には引き続き、感染拡大防止に向けた対策を徹底するとともに、今回の決定プロセスについても丁寧に説明してもらう必要がある」と述べました。

鈴木知事「午後9時以降のナイトセッション 無観客を要請」

また、鈴木知事は、新型コロナウイルスの対策本部会議で「まん延防止等重点措置」の解除に伴い、今月12日から講じる対策で、札幌市で行われるイベントは無観客の場合を除き、午後9時までとするよう事業者などに協力を依頼していることを踏まえ、「午後9時以降のナイトセッションは無観客とするよう大会組織委員会に伝えた」と述べました。

そのうえで、「1都3県で無観客の対応が取られ、都民や県民に往来の自粛が求められることを踏まえると、北海道で開催される競技を1都3県から来る方が観戦することに道民の理解は得られないのではないか」と述べ、大会組織委員会に対し、首都圏の1都3県の人が観戦に訪れることがないよう対策を求めていることを明らかにしました。

さらに鈴木知事は、政府が北海道を訪れる人を対象に羽田空港や伊丹空港で予定している無料のPCR検査について、今月21日のサッカー競技の開催に間に合うよう実施を前倒しするよう求める考えを示しました。

札幌市 秋元市長「観客は感染対策を」

札幌市の秋元市長は、対策本部会議のあとの記者会見で「上限1万人まで観客を入れて開催することに異論はないが、訪れる人には国が無料で行う、空港でのPCR検査を受けるなど感染対策を、きちんと、とってもらいたい」と述べました。

一方、秋元市長は「チケットを持っている人や、ボランティアにとっては、無観客になるのか、観客が入るのかは大変な関心事だった。かなり、せっぱ詰まって決定されたことは、そうした方々に対して、大変申し訳ないことで、もろもろのことが遅れていることは否めない」と指摘しました。

さらに、8日夜に開かれた関係自治体との会議について、秋元市長は「どういう趣旨なのか十分に分からない中で開催された。あの場で、観客の扱いについて決定するという認識は、参加した自治体には、ほとんどなかったと思う」と述べ、決定のプロセスに苦言を呈しました。