「表現の不自由展」予約取り消し無効 利用できる決定 大阪地裁

「表現の不自由」をテーマにした展示会の会場となっていた大阪の施設がいったん受け付けた利用の予約を取り消したことについて、大阪地方裁判所は展示会の実行委員会が施設を利用することを認める決定を出しました。裁判所は展示会について「憲法で保障された表現の自由の一環として開催が保障されるべきものだ」と指摘しています。

関西の住民有志などの実行委員会は、今月16日から3日間、「表現の不自由展かんさい」と題して、おととしの「あいちトリエンナーレ」で一時、展示が中止された作品などの展示会を予定し、会場として大阪 中央区の大阪府立労働センター「エル・おおさか」を予約していました。

しかし抗議が相次いだことを理由に大阪労働協会などで作るこの施設の指定管理者は「施設利用者の安全確保が困難だ」としていったん受け付けた利用の予約を取り消しました。

これに対し実行委員会は先月末「混乱を防ぎきれないほどの危険性はない」として、大阪地方裁判所に、施設の利用を求める訴えを起こすとともに予約取り消しを無効とするよう執行停止を申し立てました。

これについて大阪地方裁判所の森鍵一裁判長は9日、実行委員会の申し立てを認め、施設を利用できるようにする決定を出しました。

この中で展示会について「憲法で保障された表現の自由の一環として開催が保障されるべきものだ。警察の適切な警備などがあってもなお混乱が防止できないほどの特別な事情はない」と指摘しています。

一方、施設側は、決定を不服として、大阪高等裁判所に即時抗告する方針です。

実行委員会側「当然の判断 開催に向け協議したい」

今回の決定を受けて会見を開いた、実行委員会側の弁護士は「表現の自由を正面から捉えた当然の判断だと思うので、開催に向けて施設側と実務的な協議をしていきたい。気に入らない言論を暴力的な行為でつぶすことがあってはならず、一定の歯止めとなる決定だ」と話していました。

会場側 即時抗告の方針

会場となる「エル・おおさか」の指定管理者の代表、大阪労働協会は「私どもの考えと違う結果となって残念だ」とコメントし、大阪高等裁判所に即時抗告する方針を示しました。

ただ、即時抗告したとしても、その判断が開催までに間に合わなかったり、覆ったりしなければ、今回の決定の効力は維持されるため、施設は利用できることになります。