【ここに注目】陸上 マラソン

オリンピックの花形種目、マラソンは、女子が閉会式前日の7日、男子が閉会式当日の8日に、いずれも札幌市中心部の札幌大通公園を発着するコースで行われます。

日本代表の顔ぶれ

男子と女子の代表はいずれも3人ずつです。
【男子】
▽中村匠吾(MGC=マラソン グランド チャンピオンシップ1位)
▽服部勇馬(MGC2位)
▽大迫傑(MG3位、2020年東京マラソンで当時の日本記録マーク)
【女子】
▽前田穂南(MGC1位)
▽鈴木亜由子(MGC2位)
▽一山麻緒(MGC6位、2020年名古屋ウィメンズマラソンで日本歴代4位のタイムをマーク)

札幌のコースは

猛暑の対策としてIOC(=国際オリンピック委員会)が提案して、急きょ東京から札幌に会場が移転されることになり、本番を想定して東京で選考レースを行った日本チームは戦略の見直しを迫られました。
終盤に上り坂がある東京のコースと違って札幌のコースは平たんで、高低差、気温、そして近年のシューズの進化もあり、過去大会と比べてレースの高速化が予想されます。
変則的な周回コースであることも特徴で、1周目は大きいループとなる20キロ、2周目と3周目は小さいループの10キロを回ります。
細かいクランクがある北海道大学の構内は3回通ることになり、前の選手の姿が見えにくくなることから後半のスパートなど勝負の仕掛けどころとなりそうです。

延期の影響は

気になるのは延期に伴う選手の状態です。
調整に十分な時間をかけようと2020年の夏から逆算して前の年の9月にMGCを行い、はやばやと男女2人ずつに内定を出しました。
ところが、その時点で代表に内定した選手のうち男子の中村選手と服部選手、女子の鈴木選手は故障などもあり、ほぼ2年間、一度もフルマラソンを走らないまま本番を迎えます。
MGCを制した女子の前田選手はことし1月の大阪国際女子マラソンで自己ベストを20秒近く更新しましたが、ことし5月にテスト大会として札幌市で行われたハーフマラソンでは序盤から後れ、状態に不安を感じさせました。
MGCや夏の北海道マラソンなどで優勝し、暑さに強いことは実証済みでどこまで復調するかに注目です。
一方、好調なのがそのテスト大会を制した一山麻緒選手です。
代表内定を決めた去年の名古屋ウィメンズマラソンの後、大阪国際女子マラソンでも優勝するなど成長著しい姿を見せています。
そして男子で順調な調整ぶりを見せているのが、大迫選手です。
前回、日本記録を出したときと同様にマラソン大国のケニアでトレーニングを積みました。新型コロナウイルスの感染状況が悪化したため、ケニアでの合宿は中断せざるをえませんでしたが、大会直前までアメリカで練習に取り組みました。
ことし5月には現地で10000メートルのレースに出場し、27分台の好タイムを出しただけでなく、そのおよそ10分後にもう1本10000メートルを走るなど独自の調整を行っています。

MGC以来、フルマラソンを走れていない中村選手、服部選手、そして鈴木選手も、北海道などで最後の仕上げを行っていて、虎視たんたんと上位をうかがいます。

日本マラソン界復活なるか

MGCという新たな代表選考レースの導入、自国開催のオリンピックというモチベーション、そして大迫選手のように従来の枠にとらわれないアスリートの登場で、低迷していると言われてきた日本マラソン界はここ数年、活気づいています。

世界記録と比べるとまだまだタイムの差は大きく、メダル獲得も容易なことではありませんが、それでも、勝負に徹するオリンピックでは何が起こるのかわかりません。

日本マラソン界にとって復活のオリンピックとなるか、男女とも号砲は朝7時です。