上半期の倒産 資金繰り支援で2000年以降最少に 今後増加懸念も

先月までの半年間に全国で倒産した企業は、2000年以降で最も少なくなりました。新型コロナ対策として政府が続けている資金繰り支援などの影響ですが、借り入れが膨らんでいる企業もあり、調査会社では年末に向けて倒産件数が増加する可能性を指摘しています。

信用調査会社の帝国データバンクによりますと、ことし1月から6月までに1000万円以上の負債を抱えて破産や民事再生など法的整理の手続きをとった企業は、新型コロナウイルスの影響が大きい小売業やホテルや旅館を含むサービス業などを中心に、合わせて3083社でした。

これは去年の同じ時期より21.8%少なく、半年間の集計としては2000年以降で最も少ないということです。

倒産件数の減少は、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対し、政府や金融機関が資金繰り支援を行っていることが主な要因です。

ただ、緊急事態宣言に伴う営業時間の短縮要請などで売り上げが回復せず、借り入れた資金の返済がままならない「過剰債務」に陥った企業の増加が懸念されています。

帝国データバンクは「東京では4回目の緊急事態宣言が出されることになったが、過剰債務を抱えて経営に行き詰まったり、事業再生に失敗したりする企業が今後、増加し、年末に向けて倒産件数が上昇に転じる可能性がある」と指摘しています。