「表現の不自由展」郵便物から破裂音 開催事実上中止に 名古屋

8日午前、「表現の不自由」をテーマにした展示会が開かれていた名古屋市内のギャラリーで、郵便物を開けたところ10回ほど破裂音がしたということです。けが人はいないということですが、施設を所有する名古屋市は「安全を確保するため」として、開催期間中、ギャラリーを臨時休館することを決め、展示会は事実上、中止されることになりました。

警察などによりますと、8日午前9時半すぎ、名古屋市中区役所と同じビル内にある「市民ギャラリー栄」で、ギャラリーを管理・運営する団体の職員が郵便物を開けたところ、10回ほど破裂音がしたということです。

ギャラリーでは、おととしの「あいちトリエンナーレ」で展示された、慰安婦をモチーフにした少女像や、昭和天皇に関する映像などが、6日から展示されていました。

警察によりますと、破裂音がした郵便物は、ギャラリー宛てに届いた茶色の封筒で、8日朝早く、職員が会場で警備にあたっていた警察官に「不審な郵便物が届いた」と相談し、封筒を調べたうえで開けたということです。

けが人はいないということですが、施設を所有する名古屋市は「施設や利用者などの安全を確保するため」として、今月11日までの開催期間中、ギャラリーを臨時休館することを決め、展示会は事実上中止されることになりました。

警察は威力業務妨害の疑いで、差出人や送りつけた目的などを捜査しています。

主催団体 施設側に展示の再開を要請

8日に展示会の会場の使用が一時、停止されたことについて、展示会を主催する団体が記者会見を行い「言論の制圧を許してはいけない」として、施設側に展示の再開を要請していることを明らかにしました。

展示会を主催する『「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会』は、8日午後1時半に、愛知県庁で会見を行いました。

団体によりますと、8日午前10時前、施設側から「7階で不測の事態が起こったので避難してほしい」と伝えられたということです。

会場がある8階などには、午前10時からの展示を待つ来場者がいたということですが、避難するよう伝え、けが人はいなかったということです。

団体は、詳しい状況が分からないため、8日の展示を中止することを決めたうえで、施設側に安全管理を徹底することや、安全が確保できたら展示を再開させることなどを要請したということです。

団体の共同代表の中谷雄二さんは「頑張って作った表現について考える場が、今回の展示です。この国の言論が制圧されて自由に物が言えなくなることは許してはいけない」と話していました。