野党 五輪開幕前に臨時国会召集を要求 緊急事態宣言見通しで

緊急事態宣言の発出中に、東京オリンピックが開催される見通しとなったことから、野党側は、感染者の急増など、不測の事態に備える必要があるとして、今月23日のオリンピック開幕前に臨時国会を召集するよう与党側に求めました。

政府は、東京都に、今月12日から来月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出す方針で、今月23日に開幕する東京オリンピックは宣言の期間中に開催される見通しです。

これを受けて、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らが会談し、国会としても感染者の急増など不測の事態に備える必要があるとして、開幕前に、臨時国会を召集すべきだという認識で一致しました。

そして、立憲民主党の安住国会対策委員長が、自民党の森山国会対策委員長と会談して臨時国会召集を求めたのに対し、森山氏は持ち帰って検討する考えを示しました。

また安住氏は、8日午後開かれる衆参両院の議院運営委員会に菅総理大臣が出席して質疑を行うよう求めたのに対し、森山氏は、否定的な考えを伝えました。

自民 森山国対委員長「臨時国会召集は極めて慎重に」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「きのうも閉会中審査を行い、きょうも議院運営委員会を開くので、閉会中でも国会としてスピーディーに対応できる。臨時国会の召集は極めて慎重にと思っている」と述べました。

立民 安住国対委員長「国家の浮沈に関わる事態」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「国家の浮沈に関わるような事態だ。国民に自粛を求めておきながら東京オリンピックはやりますという、こんなねじれたことをやりながら国会で議論しないことは政治不信につながる」と述べ、与党側が拒否すれば、憲法の規定に基づいて、臨時国会の召集を求めていく考えを示しました。

また、IOCのバッハ会長の来日に関連し「場合によっては国会に来てもらう必要も出てくる。なぜオリンピックを開くのか聞きたいし、ただ単に日の丸の旗を振って迎えるような環境では全くない」と述べました。