“一斉休校”子どもへの影響 家庭の年収で勉強時間などに格差

新型コロナウイルスの感染拡大による去年の一斉休校が子どもたちに与えた影響について民間の調査研究機関などが調べた結果、家庭の年収が低いほど勉強時間や生活時間に変化があり格差が生じていることが分かりました。

調査は、民間の調査研究機関などがことし3月に実施したもので、国公私立の小学校から高校に通う子どもがいる保護者、4000人を対象にインターネット上で行われました。

その結果、一斉休校中の去年5月の1日あたりの勉強時間は、いずれの世帯もそれ以前より短くなっていますが、
▼年収800万円以上の世帯では66分短くなった一方、
▼800万未満から400万円の世帯は84分、
▼400万円未満の世帯では、90分短くなっていました。

年収が高い世帯では、ほかの世帯より学校外の勉強時間が増加していて休校の影響を補うため教育に投資したとみられるということです。

休校中に、教員と双方向でやり取りできるオンライン授業を受けた児童・生徒の割合は、
▼年収800万円以上の世帯は13.4%でしたが、
▼800万未満は6.3%、
▼400万円未満は3.3%と差が開きました。

このほか、テレビや携帯電話を見る「スクリーンタイム」は、感染拡大前からひとり親世帯で多い傾向にありましたが、休校中に1時間余り増え1日4時間程になっていました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平主任研究員は、「一斉休校で家庭の自発的な努力に委ねざるを得ず、コロナの影響でもともとあった格差が拡大した。厳しい状況に置かれた子どもへの支援が重要だ」と話しています。