ワクチン接種 心筋炎など20人 胸の痛みなどは医療機関受診を

新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた20人に、心臓の筋肉が炎症を起こす「心筋炎」などが確認され、厚生労働省は胸の痛みなどがある場合は医療機関を受診するよう呼びかけています。

若年男性で多い傾向

厚生労働省によりますと、6月27日までにファイザーのワクチンの接種を受けた人はおよそ2624万人で、このうち19人に心臓の筋肉や膜に炎症が起きる「心筋炎」や「心膜炎」が確認されました。

また、モデルナのワクチンはおよそ94万人に接種が行われ、1人に症状が見られたということです。

このうち40歳未満の男性が7人で、若年の男性で多い傾向にあるとしています。
厚生労働省は、「頻度としてはごくまれで、軽症の場合が多く、接種によるメリットのほうがはるかに大きい」としたうえで、胸の痛みや息切れなどの症状が出た場合は医療機関を受診するよう呼びかけています。

また6月27日までに接種を受けた人のうち、ファイザーのワクチンでは453人、モデルナでは1人の死亡が確認されました。

専門家の分析では、接種との因果関係についてほとんどが「評価できない」か、「認められない」とした一方、血小板減少症やくも膜下出血を起こした1人については「因果関係が否定できないが、直接的な関連性は不明」としています。

厚生労働省は、現時点では接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとして引き続き接種を進める方針です。