山陰で記録的な大雨 あすにかけ九州北部~北陸 大雨のおそれ

活発な梅雨前線の影響で、鳥取県や島根県では、記録的な大雨となり、浸水や崖崩れなどの被害が相次いでいます。
気象庁は、山陰を含む九州北部から北陸では、8日、局地的に非常に激しい雨が降り、予想以上に雨雲が発達すると「線状降水帯」が発生する可能性もあるとしています。
大雨になった地域では、いったん雨が弱まったとしても安全な場所での避難を続けてください。

梅雨前線の活動が活発になった影響で、山陰には7日断続して発達した雨雲がかかり、島根県と鳥取県で帯状に発達した雨雲が連なる「線状降水帯」の発生も確認されました。

8日午後11時までの24時間の雨量は、鳥取県の倉吉市で325.5ミリ、大山町塩津では276.5ミリと、1日足らずで平年7月1か月分の雨量の1.5倍を超えるところもあるなど記録的な大雨となっています。

この時間、中国地方や九州北部で局地的に雨雲が発達していて午後9時までの1時間に長崎県の対馬市鰐浦で36.5ミリの激しい雨が降りました。
これまでの雨で、鳥取市では、災害の危険が高まり、「緊急安全確保」が出された地域もあります。

島根県と鳥取県、兵庫県、それに岡山県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

また鳥取県では氾濫の危険性が高くなっている川があります。

土砂災害や川の氾濫に厳重に警戒し、安全な場所に避難する、外への避難が難しければ建物の高い階へ移動するなど、少しでも身の安全を確保する行動をとってください。

今後の見通しは

8日は九州北部から北陸の日本海側を中心に雷を伴って非常に激しい雨が降り、大雨になるおそれがあります。

8日夕方までの24時間に降る雨の量は、多いところで、
▽中国地方で200ミリ
▽近畿で150ミリ
▽九州北部で120ミリ
▽北陸と東海で100ミリと予想されています。

9日夕方までの24時間では多いところで
▽九州北部で100ミリから150ミリ
▽中国地方や近畿、北陸、東海で50ミリから100ミリの予想となっています。

ただ、気象庁は、現在の「梅雨末期」は雨量の正確な予測が難しく、予想以上に雨雲が発達した場合は「線状降水帯」が発生したり、猛烈な雨が降ったりする可能性もあるとしています。

土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意するよう呼びかけています。

山陰や近畿など、すでに大雨になっている地域を中心に、今後の大雨で急激に災害の危険性が高まるおそれがあります。

いったん雨が弱まったとしても、安全な場所への避難を続けてください。

長期の大雨に 今降っていないところも警戒を

8日以降も梅雨前線は本州付近に停滞し、湿った空気の流れ込みが強い状況は続くことから、今週の土曜日ごろにかけて各地で非常に激しい雨が降るおそれがあります。

短時間の大雨だけでなく、長期間の大雨によって災害の危険性が高まるおそれがあるとして、気象庁は、今、降っている雨の強さだけでなく土砂災害や洪水の危険度も確認し早めに安全を確保するよう呼びかけています。

熱海市 土砂災害に警戒を

一方、7月3日に記録的な大雨で土石流が起きた静岡県熱海市では土砂災害警戒情報が出されていましたが、7日午後、解除されました。

ただ、熱海市では、これまでの大雨で地盤が不安定な状態が続いています。土石流が発生した地域では崖や山の斜面、川の近くなど危険な場所には近づかず、引き続き、安全な場所で過ごすようにしてください。

気象庁「日中のうちに災害への備えを」

梅雨前線による大雨について、気象庁は6日に続いて7日昼前、今後の警戒すべき点を説明し「日本海側では今月10日にかけて非常に激しい雨が降り、大雨となる状況がいつ起きてもおかしくない」として、今、大雨になっていない地域でも日中のうちに地域の災害リスクを把握し、早めの対応をとるよう呼びかけました。

気象庁によりますと、7日明け方、停滞した梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、山陰では大雨になって線状降水帯が確認され「顕著な大雨に関する情報」が発表されました。

8日夜遅くまでに大雨に特に警戒が必要な地域と時間帯は
▽東北と東海が7日夜にかけて
▽北陸と中国地方が8日朝にかけて
▽九州北部が7日夜から8日朝にかけてとされています。

ただ、梅雨前線は今月10日ごろにかけて、日本付近に停滞するため、西日本から東日本の日本海側を中心に非常に激しい雨が降り、大雨がいつ起きてもおかしくない状況が続くということです。

西日本から東日本の日本海側を中心、7月10日ごろにかけて大雨に対する備えと警戒を緩めないよう呼びかけています。

そのうえで、長雨によって土砂災害や洪水の危険度が高まっていくおそれがあるとして、1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」や、80ミリ以上の「猛烈な雨」といった短時間の降り方だけでなく、土砂災害の危険度や川の水位などにも警戒するよう呼びかけています。

気象庁予報課の杵渕健一予報官は「いつどこで、どの程度の雨が降るか、正確に見積もるのは難しい。日本海側を中心に日中のうちにハザードマップを確認するなど災害への備えを進めてほしい。夜間に大雨となるおそれもあり、暗い中では危険を伴うことがあるので周囲の状況に十分注意してほしい」と呼びかけました。

「顕著な大雨に関する情報」とは

「顕著な大雨に関する情報」は、発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いて土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったときに発表されます。

「線状降水帯」は、去年の7月豪雨や平成30年の西日本豪雨など、これまでの豪雨災害で繰り返し確認され、予報を上回って、短い時間で状況が悪化する危険性があります。

この情報が出た際は、自治体からの避難の情報に基づき、周囲の状況を確かめて早めの避難をするほか、すでに避難場所までの移動が危険な場合は、崖や沢から離れた近くの頑丈な建物に移動したり建物の2階以上など浸水しにくい高い場所に移動したりするなど、身の安全を確保することが重要です。

情報が発表される基準は、3時間の解析雨量が100ミリ以上になっている範囲が500平方キロメートル以上あることや、その領域の形状が「線状」であることなどと決められています。

ただ、台風本体の雨雲が近づいた時など「線状降水帯」とは言えない状況でも発表されることがあります。

間に合わないケースも

注意が必要なのは、この情報が発表された際、すでに外に出ることすら危険になっているおそれもあることです。

気象庁が過去の災害事例で検証したところ「顕著な大雨に関する情報」を発表する基準に達していない段階でも大きな被害が出ていた事例があるということです。

また、情報が出ていない地域でも今後、雨雲が移動し、急激に状況が悪化するおそれもあります。

このため気象庁は、避難情報に直結はせず、危機感を高めてもらうための情報だとし、5段階で運用されている大雨警戒レベルでは「レベル4“相当以上”」だとしています。

そのうえで、情報を待つことなく、気象庁のホームページで確認できる危険度分布や、河川の水位情報などをもとに早めの避難を心がけてほしいと呼びかけています。