東京 豊島区 国からのワクチン「希望量の半分以下」日程変更も

全国の自治体で新型コロナウイルスのワクチン不足が問題となる中、東京 豊島区は国から届くワクチンが希望していた量の半分以下にとどまることになり、予定どおり接種を進められなくなったとして、64歳以下の対象者などに新たな予約は8月以降の日程で行うよう求める緊急の呼びかけを始めました。

豊島区は、医療機関での個別接種を中心にワクチン接種を進めていて、5日までに高齢者の53%が2回の接種を終え現在は、基礎疾患のある人への接種も行っています。

区には、これまでは国から比較的希望に沿ったワクチンの量が届いていましたが今月5日から19日までの間に配られるワクチンの量は希望の半分以下の20箱にとどまることになりました。

このため区は、個別接種を行っているおよそ200の医療機関に「希望に応じた供給が困難な状況になった」という通知を送りました。

また、区では5日から40歳以上の一般接種の予約を開始する予定でしたが、ホームページなどで「高齢者と基礎疾患のある人以外は来月以降の日程で予約してほしい」という緊急の呼びかけを始めました。

豊島区の高野之夫区長は「素早く多くの接種を進めてきたからこそ、ブレーキがかかると影響が大きく混乱している。医療機関には断腸の思いで供給量が減ることを伝えたが、今まで何のために急いで進めてきたのかと思うと悔しい。国は平等だけではなく、努力して早く進めている自治体に報いてほしい」と話していました。

ワクチン供給量減で 予約の受け付け停止や取り消しも

ワクチンの供給量が減ったことを受けて区では、予約の受け付け停止や取り消しなどの対応に追われる診療所も出ています。
このうち山下診療所では、7月2日に、希望していた300人分のワクチンのうち2割の60人分しか届かなかったことから新規の予約の受け付けを停止したほか、すでに入っている1600人分の予約を取り消さなくてはならないおそれがあるということです。

この診療所では、区にワクチンを多めに配分してもらえないか要望しているということですが、今のところ供給の見通しは立っていないということです。

山下巌院長は「国から『どんどん接種するように』と言われ、これから若い人たちに向けてさらに接種のスピードを上げられると思った時に急にガソリンがないと言われ、ブレーキを踏んでいるような状態です。供給量の見通しがわからなければ予約の受け付けは少なめにするしかありませんが予約取り消しの電話をするのは申し訳なく忍びないです」と話していました。