米バイデン大統領 独立記念日演説 コロナ対策「闘い終わらず」

アメリカのバイデン大統領は独立記念日の4日、ホワイトハウスで演説し、新型コロナウイルス対策が進み、社会が正常化に近づいていると強調する一方「闘いが終わったわけではない」と述べ、ワクチンの接種を改めて呼びかけました。

バイデン大統領は独立記念日の4日、ホワイトハウスに招待した医療従事者や軍の関係者らおよそ1000人を前に演説しました。

この中で、バイデン大統領は「この国やあなたが1年前にどういう状況だったかを思い出してください。感染拡大がもたらした孤立、痛み、愛する人を亡くすつらさなどの暗闇から、われわれは抜け出しつつある」と述べ、感染対策によって社会が正常化しつつあると成果を強調しました。

そのうえで「新型ウイルスとの闘いが終わったわけではない。強力な変異ウイルスも出てきている。最大の防御はワクチンを接種することだ」と述べ、国民に改めて接種を呼びかけました。

アメリカでは、ワクチンの接種が進んでいることを受けて経済や社会の活動を再開する動きが広がっていて、首都ワシントンの中心部にある広大な緑地帯「ナショナル・モール」ではこの日、大勢の人がマスクを着用せずに集まって独立記念日を祝うなど、日常が少しずつ戻ってきています。

しかし、バイデン大統領が掲げていた、この日までに18歳以上の70%がワクチンを少なくとも1回接種するという目標は実現しておらず、1日当たりのワクチンの接種回数はピーク時のおよそ6分の1とペースの減速が顕著になっていて、感染対策にはまだ多くの課題が残っています。

NY 花火大会 例年どおりの規模で

アメリカのニューヨークでは4日、独立記念日を祝う恒例の花火大会が行われ、例年どおりの規模の6万5000発の花火が夜空を彩って、ニューヨークに日常が戻りつつあることを印象づけました。

花火は4日午後9時半ごろからおよそ25分間、マンハッタンの東側を流れるイーストリバーに浮かぶ5隻の船から次々と打ち上げられました。

去年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大勢の人が同じ場所に集まるのを避けるため、ニューヨーク市内の多くの場所から花火を見られるようにと、高さが300メートル以上あるエンパイア・ステート・ビルの展望台から打ち上げられました。

ことしは、ワクチンの普及などによって感染が抑制できているとして、例年どおりの規模で行われ、マンハッタンの夜空が花火で色鮮やかに彩られるたびに、大勢の見物客が大きな歓声を上げていました。

ニューヨークに隣接するニュージャージー州から訪れた男性は「去年とは違い、多くの人と一緒に独立記念日を祝い、花火を楽しむことができて、幸せです。ニューヨークが元に戻ってきていると実感しています」と話していました。