インドネシア 新型コロナ 1日の死者最多に 医療用酸素が不足

新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアでは、4日、1日当たりとしてはこれまでで最も多い555人が亡くなりました。各地の病院では、医療用酸素が不足するなど、医療体制のひっ迫が深刻になっています。

インドネシアではインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の広がりなどで、4日、新たに2万7233人が感染したほか、555人が亡くなったことが確認され、1日当たりの死者としては、これまでで最も多くなりました。

感染した人の治療のための病床は3日の時点で全国でおよそ80%、感染が最も深刻な首都ジャカルタでは92%まで埋まっていて、国際赤十字・赤新月社連盟は「デルタ株によって大惨事に近づいている」と懸念を示しています。

このうちジャワ島中部のジョグジャカルタの病院では、3日から4日にかけて、治療を受けていた63人が死亡したほか、医療用酸素が不足していて危機的な状況だとして、政府に支援を要請しました。

政府は医療用酸素の需要は全国で5倍に増えているとして、産業用から振り分けるなどして確保を急いでいます。

インドネシアにはおよそ1900社の日系企業が進出していますが、医療体制のひっ迫を受けて、駐在員や家族を日本に帰国させる動きが相次いでいます。